芝生のエノコログサ対策|芝を傷めにくい除草方法と注意点を解説
きれいにそろえた芝生の中から、ぴょこんと伸びる猫じゃらし。数本のうちは手で抜けば済みますが、夏になるにつれて本数が増えると「芝生ごと除草剤をまいて大丈夫かな」と迷います。
ここで気をつけたいのが、エノコログサも芝も同じイネ科の植物だということです。
庭の裸地なら雑草をまとめて枯らせる除草剤を使える場面があります。しかし芝生では、選び方を間違えるとエノコログサだけでなく、残したい芝まで傷める可能性があります。
そのため、芝生に生えたエノコログサは一般的な庭の雑草駆除とは分けて考えるのが基本です。
すでに生えているエノコログサが少数なら手取りを優先し、大量発生を繰り返す場合は芝の種類と農薬登録を確認したうえで芝生用除草剤を検討するのが安全寄りの進め方です。
さらに、エノコログサは一年草なので、今ある株を抜くだけではなく、穂を成熟させて種を落とさないことも重要。翌年また猫じゃらしだらけになるのを防ぐには、この部分がかなり大切ですよ。
この記事では、芝をできるだけ傷めずにエノコログサを除草する方法、芝生用除草剤を選ぶときの見方、使ってはいけない除草剤、手取りのコツ、翌年の発生を減らす方法まで解説します。
- 芝生のエノコログサを安全寄りに除草する方法
- 芝生用除草剤を選ぶときの確認ポイント
- 芝まで枯らすおそれがある除草方法
- 翌年のエノコログサを増やさない管理方法
芝生のエノコログサ対策
芝生にエノコログサが生えたときは、いきなり除草剤をまく必要はありません。本数、成長段階、芝の種類によって、手取りと薬剤を使い分けていきます。
少数なら手取りを優先する

芝生の中にエノコログサが数本から数十本程度なら、私ならまず手で抜きます。
理由はシンプルで、エノコログサだけを狙って取れるからです。
芝生用として登録された除草剤でも、芝の種類、使用時期、対象雑草などに条件があります。一方、手取りなら対象の植物を確認しながら除去できます。
エノコログサはイネ科の一年草で、地下深くに太い地下茎を残して毎年同じ株から再生するチガヤのような植物ではありません。
そこで、まだ小さいうちに根元を持ち、周囲の芝をなるべく傷めないようゆっくり引き抜きます。
土がカチカチに乾いていると途中で切れやすいので、雨のあとなど適度に湿ったタイミングが作業しやすいでしょう。
芝まで一緒に引き抜きそうなときは、片手で周囲の芝を押さえながらエノコログサだけを抜くと扱いやすくなります。
大量発生なら予防も考える
問題は、芝生のあちこちにエノコログサが出ている場合です。
数百本を毎年一本ずつ抜くとなると、さすがに大変ですよね。
しかも、今見えている株だけを抜いても、すでに土中に種子が残っていれば次の株が発芽する可能性があります。
そこで大量発生している芝生では、今ある株を取り除くだけではなく、翌年以降に発芽するエノコログサを減らす予防まで考えます。
芝生用除草剤の中には、エノコログサが発芽する前に土壌へ処理する用途で農薬登録されているものがあります。
ただし「芝生用」と書いてあれば何でもエノコログサへ使えるわけではありません。
芝の種類と対象雑草、使用時期まで一致していることを確認する必要があります。
芝生用除草剤の選び方
芝を残して雑草を減らす除草剤は、何を選んでも同じではありません。特にエノコログサは芝と同じイネ科なので、パッケージの「芝生用」という言葉だけで決めないことが大切です。
まず芝の種類を確認する
最初に確認するのは、あなたの庭の芝が何なのかです。
家庭の芝生では、コウライシバやノシバなどの日本芝が使われることもあれば、ブルーグラス、ベントグラスなどの西洋芝が使われることもあります。
同じ除草剤でも、日本芝には使用できても西洋芝には使えない場合があります。
さらに、日本芝の中でも「こうらいしば」と限定して登録されている使い方があります。
ここを飛ばして「芝生だから大丈夫」と使うのは避けたいところです。
自宅の芝種が分からないなら、葉の幅や生育時期だけで自己判断せず、芝を施工した業者の資料や購入時の記録なども確認してみてください。
対象雑草にエノコログサを確認
次に見るのが適用雑草です。
芝生用除草剤には、「一年生広葉雑草」「多年生広葉雑草」「メヒシバ」「ヒメクグ」など、対象となる雑草が記載されています。
エノコログサはイネ科なので、広葉雑草だけを対象にした除草剤では目的が合いません。
例えば、クローバーやカタバミなどを対象とする芝生用除草剤があっても、それだけでエノコログサにも同じように効くとは判断できないんです。
使用前には製品ラベルや農林水産省の農薬登録情報を確認し、「芝の種類」と「エノコログサ」の両方が条件に合っているかを見ます。
農林水産省の農薬登録情報提供システムでは、現在、日本芝のうちコウライシバで、エノコログサの雑草発生前に使用できる登録例が確認できます。
ここで重要なのは「エノコログサに登録がある」という部分だけではありません。使用できる芝の種類と、発生前なのか発生後なのかまで見ることです。
使用時期まで一致させる
同じ雑草を対象としていても、除草剤には適切な使用時期があります。
例えば「雑草発生前」と書かれている場合、すでに大きく育って猫じゃらし状の穂まで出したエノコログサへ散布する使い方とは違います。
今目の前にあるエノコログサを見て、「対象雑草に名前があるからこれをかけよう」と考えるだけでは不十分。
発生前、発生初期、生育期など、登録された使用時期もセットで確認してください。
これを守らないと、期待した効果が得られないだけでなく、芝への影響や不適切な農薬使用につながる可能性があります。
ラベルを最優先する
除草剤についてネットで調べると、昔の記事や口コミで「これが効いた」という情報がたくさん出てきます。
でも、農薬の登録内容は変更される可能性があります。
そのため実際に使うときは、ブログや口コミよりも手元の製品ラベルと最新の農薬登録内容を優先してください。
農林水産省も、農薬はラベルに表示された使用方法などを守って使うよう求めています。
除草剤の種類を理解する
芝生の除草で失敗しやすいのが、「雑草を枯らす薬なら全部同じ」と考えてしまうことです。エノコログサ対策では、今ある植物を枯らすものと、これからの発芽を抑えるものを分けて考えます。
選択性除草剤を確認する
芝生で使われる除草剤には、登録された条件の範囲で芝への影響を抑えながら、特定の雑草を防除するものがあります。
こうした考え方の除草剤は、芝を残しながら雑草を減らしたい場面で候補になります。
ただし、「選択性だから芝には絶対無害」という意味ではありません。
芝種が違ったり、濃度や使用量を間違えたり、芝が弱っている時期に不適切な使い方をしたりすれば、薬害が出る可能性があります。
そのため、「芝に使える」ではなく自分の芝に、この条件で使えるところまで確認しましょう。
非選択性は芝まで枯らす
道路脇や空き地、駐車場などで使われる除草剤の中には、かかった植物を広く枯らすタイプがあります。
雑草だけの場所なら便利ですが、芝生の中央で面状に散布すれば、エノコログサと一緒に芝まで影響を受けるおそれがあります。
「雑草によく効く」と書かれているから芝生でも便利、とは限りません。
ここはかなり大事。
芝を残したい場所では、何でも枯らすタイプの除草剤を芝生全体へ散布しないようにしてください。
もし芝生を撤去して更地にすることが目的なら話は別ですが、この記事の目的は「芝を残しながらエノコログサを減らすこと」です。
発生前処理という方法
エノコログサは一年草で、基本的に種子から発芽して次の株になります。
この性質を利用し、まだ雑草が出てくる前に土壌へ処理して発芽や初期生育を抑えるタイプの除草剤があります。
毎年同じ時期に大量発生する芝生では、こうした予防型の考え方が役立つことがあります。
ただし、先ほど触れたように、農薬登録上「雑草発生前」とされている薬剤を、すでに大きく育ったエノコログサを枯らす目的で使うのは別の話。
発生前処理は、あくまでこれから出てくる雑草を減らす予防として考えてください。
手で抜くときのコツ
芝生では、手取りがかなり優秀な方法です。エノコログサだけを見ながら処理でき、芝への薬害を心配しなくて済みます。特に発生数が少ないうちは早めに抜いてしまいましょう。
小さいうちに抜く
エノコログサは春から発芽し、夏に向かって成長していきます。
まだ穂が出ていない小さな株なら、根の張りも大株ほどではなく、芝の間から取りやすいでしょう。
一方、草丈が高くなって株元が広がると、周囲の芝と絡み、抜いたときに芝まで持ち上がりやすくなります。
さらに猫じゃらし状の穂ができれば、種子を残す段階へ近づきます。
だから、芝刈りをするときなどにエノコログサを見つけたら、その場で取ってしまうくらいがちょうどいいです。
芝を押さえて根元から抜く
抜き方は、エノコログサの根元をなるべく低い位置でつかみます。
もう片方の手で周囲の芝を押さえ、ゆっくり上へ引き抜きましょう。
葉先だけを引っ張ると途中で切れやすいため、株元を持つのがポイントです。
土が固くて抜けない場合は、細い草抜き器などを使って根元の土をゆるめる方法もあります。
ただし深く掘りすぎると、今度は芝の根を傷めます。
「エノコログサの根を1本も残してはいけない」と芝生を大きく掘り返す必要はありません。一年草なので、地下茎を完全除去しなければ延々再生する植物とは違います。
穂が出た株は早く取る
ふさふさした猫じゃらし状の穂が見えたら、後回しにせず取っておきたいところです。
エノコログサの穂には種子ができ、それが落ちれば翌年以降の発生源になります。
芝刈り機で穂を切れば見た目はきれいになりますが、すでに種が成熟していれば周辺へ落ちる可能性もあります。
本数が少ないなら、穂ごと静かに抜いて処理するほうが確実でしょう。
すでに穂が茶色っぽくなっている場合は、抜くときに振り回さず、種を芝生へ落とさないよう扱います。
芝刈りだけで減るのか
芝生なら定期的に芝刈りをするので、「エノコログサも一緒に刈れば消えるのでは?」と思いますよね。一定の意味はありますが、芝刈りだけに任せるのはおすすめしません。
穂を出させにくくできる
定期的に芝刈りをして草丈を抑えると、エノコログサが高く伸びたまま放置される状態は防ぎやすくなります。
そのため、何か月も放置して大量の穂を付けるよりは、種子を残す機会を減らしやすくなるでしょう。
芝生全体の景観を保つ意味でも、適切な芝刈りは基本の管理です。
ただしエノコログサは、刈られたあとも生きていれば再び葉を伸ばすことがあります。
なので、「一回刈ったから駆除完了」ではありません。
刈り過ぎは芝を弱らせる
雑草を低くしたいからと、芝まで極端に短く刈り込むのも考えものです。
芝には芝種や季節に応じた適切な刈高があります。
必要以上に短く刈ると芝の葉面積が減り、生育が落ちることがあります。
すると芝生にすき間ができ、そこへ新しい雑草が入りやすくなることも。
雑草を退治しようとして芝を弱らせ、その空いた場所へまた雑草が生える。これは避けたい流れです。
芝刈りはエノコログサだけを基準にせず、育てている芝に合う高さで続けましょう。
芝を傷めやすい対策
エノコログサだけを見ると効果がありそうでも、芝生では避けたい方法があります。芝を残すことが目的なら、「雑草が枯れるか」だけで判断しないことが大切です。

熱湯をかける
熱湯は高温によって植物組織へダメージを与えます。
舗装のすき間に生えた雑草などでは使われることがありますが、芝生の中では向きません。
熱湯はエノコログサと芝を見分けてくれないからです。
エノコログサの根元を狙ったつもりでも、周囲の芝へ熱が伝われば芝も傷む可能性があります。
さらに、やけどの危険もあります。
芝生のエノコログサ数本を処理するために熱湯を運ぶくらいなら、手で抜いたほうが簡単で芝への影響も抑えやすいでしょう。
塩をまく
雑草駆除として塩をまく方法も、芝生では避けてください。
塩分はエノコログサだけに作用するわけではなく、芝にも影響します。
さらに土壌へ塩分が残れば、その後の植物の生育にも悪影響を及ぼす可能性があります。
雨などで周囲へ移動することも考えられるため、芝生でピンポイントに使える安全な除草方法とは言えません。
酢を大量散布する
酢も「天然だから芝に安心」とは考えないほうがいいでしょう。
高濃度の酢酸が植物へ触れれば、葉などを傷めます。
そして、エノコログサだけではなく芝へかかっても影響する可能性があります。
家庭にあるものだから農薬より安全、と単純には比較できません。
芝生の中で特定の雑草だけを減らすなら、手取りか、芝と対象雑草に適用のある登録除草剤を使うほうが目的に合っています。
空き地用の除草剤をまく
駐車場や道路周辺、何も植えない場所を対象とした除草方法を、そのまま芝生へ持ち込まないでください。
とくに植物を選ばず広く枯らすタイプは、芝生そのものを傷める可能性があります。
パッケージに「根まで枯らす」「雑草を一掃」と書かれていると頼もしく見えますが、芝も植物です。
芝の種類で注意点が違う
芝生と一言で呼んでいますが、日本芝と西洋芝では生育時期や薬剤への適用が異なります。ここを分けずに除草剤を選ぶと失敗しやすくなります。
コウライシバの場合
家庭の庭でよく使われるコウライシバは日本芝の一つです。
暖かい時期に生育し、冬には葉色が落ちる暖地型の芝として知られています。
現在の農薬登録には、コウライシバでエノコログサの発生前に使用できる除草剤の登録例があります。
そのため、毎年エノコログサが大量に出るコウライシバでは、春夏期の発生前対策を検討できる場合があります。
ただし、製品によって対象雑草や使用時期は違います。
また、芝張り直後や芝が弱っている状態などでは注意事項が設けられていることもあるので、ラベルを最後まで確認してください。
西洋芝は同じと考えない
西洋芝の場合は、コウライシバに使える除草剤をそのまま使用できるとは限りません。
同じ製品の登録表の中でも、日本芝、ブルーグラス、ベントグラスなどで対象雑草や使用方法が違うことがあります。
例えば、ある製品でコウライシバのエノコログサに登録があったとしても、それだけを理由にブルーグラスへ同じ使い方をしてよいことにはなりません。
芝種が違えば別条件と考えるくらいがちょうどいいです。
西洋芝でエノコログサが数本程度なら、薬剤を探す前に手取りで対応したほうがシンプルなケースも多いでしょう。
エノコログサを増やさない方法
芝生のエノコログサ対策は、その場で一本抜いて終わりではありません。一年草なので、翌年の発生を左右する種子対策まで行うと管理がラクになります。
種を落とす前に抜く
エノコログサは、春から夏に成長し、特徴的な猫じゃらし状の穂をつけます。
その後に種子を残し、株そのものは寒くなると枯れていきます。
つまり、毎年同じ株が地下から復活しているわけではありません。
翌年の株につながる中心は種子です。
なので、芝生からエノコログサを減らしたいなら、穂を成熟させて種を落とさせないことが重要になります。
今年見つけた株を早めに抜くことは、今年の景観を良くするだけでなく、翌年の発生源を増やさない対策にもなるわけです。
春からこまめに確認する
エノコログサが猫じゃらしらしい姿になるのを待つ必要はありません。
春から芝生を確認し、周囲とは違うイネ科雑草が出てきたら早めに対応します。
ただ、穂が出る前のエノコログサはメヒシバなどほかのイネ科雑草と見分けにくいことがあります。
判断に迷ったら、当サイトのイネ科雑草一覧と見分け方も確認してみてください。

エノコログサ、メヒシバ、オヒシバなどは対策を考えるうえでも、まず種類を知ることが大切です。
芝を元気に保つ
雑草対策というと抜く・薬をまくことばかり考えてしまいますが、芝そのものの状態も大切です。
芝が元気に生育して地表を密に覆っていれば、裸地のすき間は少なくなります。
一方、踏み傷み、病害、極端な刈り込みなどによって芝が薄くなれば、地表へ光が入りやすくなり、雑草が入り込む余地も増えます。
もちろん芝を元気にしただけで土中のエノコログサ種子が全部消えるわけではありません。
それでも、芝生を健全に維持して大きな裸地を作らないことは、長期的な雑草管理の一部になります。
抜いた跡を放置しない
大きなエノコログサを抜くと、芝生に小さな穴ができることがあります。
そのまま大きな裸地になれば、別の雑草が入り込む場所になる可能性があります。
芝が自然に広がって埋まる程度の小さな穴なら様子を見てもいいですが、大きく土が露出した場合は芝の補修を考えましょう。
「雑草を抜いて終わり」ではなく、芝生を再び密に戻すところまで考えると、見た目もきれいです。
毎年生える場合の対策
何年も同じ場所からエノコログサが出るなら、今年だけの処理ではなく年間を通した管理に変えてみましょう。
今年は種を増やさない
すでに夏になってエノコログサが大量に生えているなら、まず今年の株を処理します。
数が少なければ手取り、多ければ芝を傷めない範囲で計画的に除草。
そして、できるだけ種が成熟する前に取り除きます。
すでに土中にある種子を一度に全部なくすのは現実的ではありません。
だから「今年生えてしまった=失敗」と考える必要はないですよ。
今年から新しい種子の追加を減らす。それだけでも次につながります。
翌春は発生前を検討する
コウライシバなど、エノコログサの発生前に使える登録除草剤がある芝生では、翌春から発芽前対策を検討できます。
ここで大切なのがタイミングです。
毎年猫じゃらしの穂が出てから慌てて対策するのではなく、前年から「この場所はエノコログサが出る」と分かっているなら、次年度は発生前から考えるということ。
ただし、年によって製品の登録内容が変わる可能性があるため、実際に使用する年の最新情報を確認してください。
発芽後は早めに抜く
発生前対策を行っても、雑草が一本も生えないとは限りません。
そこで新しく出てきたエノコログサを見つけたら、小さいうちに抜きます。
大きくしてから大量の薬剤へ頼るより、このほうが芝への負担を抑えながら管理できます。
予防と手取りを組み合わせるイメージですね。
| エノコログサの状態 | 対策の考え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 芝生に数本だけ | 手で抜く | 芝を押さえながら根元から抜く |
| 穂が出ている | 早めに手取り | 成熟した種を落とさない |
| 毎年大量発生 | 発生前対策を検討 | 芝種と農薬登録を確認する |
| すでに大株が多数 | 手取りなどを組み合わせる | 発生前用薬剤を発生後用と混同しない |
| 芝種が分からない | まず芝を確認 | 除草剤を先に使わない |
| 西洋芝 | 芝種ごとに登録を確認 | 日本芝向けの使い方を流用しない |
エノコログサの見分け方
除草剤を選ぶ前に、そもそも本当にエノコログサなのかも確認しておきましょう。芝生には似たイネ科雑草が入りやすく、名前を間違えると薬剤選びもずれてしまいます。
猫じゃらし状の穂が目印
エノコログサの一番分かりやすい特徴は、夏から秋に現れるふさふさした円柱形の花穂です。
一般に「猫じゃらし」と呼ばれている部分ですね。
葉は細長く、芝より高く伸びると花穂がかなり目立ちます。
エノコログサはイネ科エノコログサ属の一年草。
見た目や生態について詳しく確認したい場合は、エノコログサそのものの特徴を先に把握してから除草すると安心です。
メヒシバとの違いも確認
芝生でエノコログサと一緒に見かけやすいのがメヒシバです。
メヒシバも夏に目立つイネ科の一年草ですが、花穂の形がかなり違います。
エノコログサはブラシ状の猫じゃらしのような穂。
一方、メヒシバは茎の先から細い穂が何本か指のように広がります。
穂が出れば違いは分かりやすいのですが、発芽して間もない時期は迷いやすいもの。
薬剤を使用する場合は特に、見た目だけで雑に判断せず対象雑草を確認してください。
除草剤を使う日の注意
登録内容に合う芝生用除草剤を見つけても、使い方が雑なら芝や周辺環境へ余計な影響を与える可能性があります。散布当日にも確認したいことがあります。
風の強い日は避ける
液体タイプの除草剤を散布するときは、周囲への飛散に注意します。
風がある日に散布すれば、狙った芝生から外れて花壇や家庭菜園へ飛ぶ可能性があります。
隣家との境界付近なら、なおさら慎重に扱いたいところです。
製品に記載された使用条件を確認し、周辺へ飛散しにくい環境で作業しましょう。
使用量を自己流で増やさない
雑草が多いと、「少し濃くしたほうが効きそう」と考えてしまうかもしれません。
ですが、農薬の使用量や希釈方法を自己判断で変更するのは避けてください。
登録された使用量や方法には理由があります。
たくさん使えば芝への影響がなくなるわけではなく、むしろ薬害などのリスクを高める可能性があります。
効かせたいから多くするのではなく、ラベルどおりに使うのが基本です。
子どもやペットにも配慮する
家庭の芝生は、子どもが遊んだりペットが走ったりする場所でもあります。
除草剤を使用する場合は、製品に記載されている注意事項を確認し、散布中や散布後の立ち入りなどにも配慮してください。
薬剤ごとに条件が異なるため、「芝生用ならすぐ遊んでも大丈夫」と一律には判断しないほうがいいでしょう。
小さな子どもやペットが頻繁に使う芝生で、エノコログサが数本しかないなら、薬剤を使わず手で抜くという判断も十分ありです。
芝生除草のよくある質問
最後に、芝生に生えたエノコログサと除草剤について、特に迷いやすいポイントをまとめます。
芝生のエノコログサ除草に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 芝生のエノコログサだけを枯らす除草剤はありますか?
A. 芝の種類や使用時期によっては、エノコログサを対象とした芝生用除草剤の農薬登録例があります。ただし、例えばコウライシバで「雑草発生前」に使う登録など条件が決まっています。「芝生用」という表示だけで選ばず、芝種、エノコログサへの適用、使用時期を最新のラベルや農薬登録情報で確認してください。
Q2. すでに大きくなったエノコログサはどうすればいいですか?
A. 本数が少なければ手取りが分かりやすい方法です。エノコログサの根元を持ち、周囲の芝を押さえながらゆっくり抜きます。穂が出ている場合は、種子が芝生へ落ちないよう静かに処理しましょう。発生前用として登録された除草剤を、すでに大きくなった株への処理と混同しないことも重要です。
Q3. 普通の除草剤をエノコログサだけにかけてもいいですか?
A. 芝を残したい場合、植物を広く枯らす非選択性除草剤を芝生へ散布するのは避けたほうがいいでしょう。エノコログサだけでなく芝へ付着すれば、芝も傷む可能性があります。薬剤を使うなら、その芝種と対象雑草に農薬登録のある製品を、ラベルどおりに使用してください。
Q4. エノコログサは芝刈りだけでなくなりますか?
A. 定期的な芝刈りによって草丈や穂を抑える助けにはなりますが、一度刈っただけで完全に駆除できるとは限りません。生きている株が再び伸びたり、土中の種子から新しい株が発芽したりします。目立つ株は手で抜き、種子を落とさせない管理を続けると翌年の発生を抑えやすくなります。
Q5. 来年エノコログサを生やさない方法はありますか?
A. 完全にゼロにできるとは限りませんが、今年のエノコログサを穂が成熟する前に取り除き、新しい種子を落とさせないことが基本です。毎年大量発生するコウライシバなどでは、翌年の雑草発生前に利用できる登録除草剤を検討する方法もあります。発芽した株は小さいうちに手取りし、芝そのものも適切に管理してすき間を減らしましょう。
芝生のエノコログサまとめ
芝生の中に生えたエノコログサは、空き地の雑草と同じ感覚で除草剤をまかないことが大切です。
エノコログサも芝もイネ科植物。
そのため、植物を広く枯らすタイプの除草剤を芝生へ面状に散布すれば、残したい芝まで傷める可能性があります。
まずエノコログサが数本しかないなら、手で抜いてしまうのがシンプルです。
一方、毎年芝生一面に発生する場合は、今ある株の除去と翌年の発生前対策を分けて考えます。
- エノコログサが少数なら手取りを優先する
- 穂が成熟して種を落とす前に抜く
- 芝生用除草剤は芝種まで確認して選ぶ
- 対象雑草にエノコログサが含まれるか確認する
- 発生前と発生後の使用時期を混同しない
- 非選択性除草剤を芝生全体へまかない
- 日本芝と西洋芝を同じ条件で扱わない
- 熱湯や塩、酢による除草は芝生では避ける
- 翌年は春から小さい株を見つけて抜く
- 使用時は最新の農薬登録とラベルを確認する
特に覚えておきたいのは、「芝生用除草剤」と書かれているだけでは十分ではないということです。
あなたの芝がコウライシバなのか、西洋芝なのか。エノコログサが対象なのか。発生前に使うのか、発生後に使えるのか。ここまで確認して初めて、その芝生に合う使い方が見えてきます。
そして現在すでに猫じゃらしが数本生えているだけなら、難しく考えすぎなくても大丈夫。
周りの芝を押さえて、エノコログサを根元から抜く。新しい株を見つけたらまた抜く。穂を作らせない。
芝を守りながらエノコログサを減らすなら、「何でも薬で枯らす」より、手取りと適切な予防を組み合わせるのが扱いやすい方法かなと思います。
