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写真で分かる!つる性植物の雑草一覧&駆除方法

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庭やベランダに知らないつるが伸びてくると、この植物は何なのか、ほうっておいてよいのか不安になります。つる性植物の雑草写真を見ても、似たような葉やつるが多く、見分けがつきにくいことも多いです。

そこでこの記事では、つる性植物の画像や、つる性植物の雑草の写真一覧をヒントにしながら、代表的な種類の特徴をやさしく整理します。ヤブガラシ、ヘクソカズラ、クズ、カナムグラ、アレチウリといった、勢いが強いつる性雑草について、名前の調べ方やつる性植物の雑草の駆除の考え方もまとめます。

つる性植物の名前が分からず困っている人が、自分の家や近所で見かけたつるを写真と見比べて、「これはこの雑草だ」と気づけるようになることが目標です。つる性植物 雑草写真というキーワードで情報を探している読者が、安心して対策できるよう、順を追って説明していきます。

この記事でわかること
  • 代表的なつる性雑草の姿を写真で見ることが出来る
  • ヤブガラシやヘクソカズラなどを見分けやすくなる
  • つる性雑草の駆除手順と注意点
  • つる性植物の雑草の駆除方法が分かるようになる

つる性植物の雑草を写真で解説

  • つる性植物の雑草一覧を写真で確認
  • ヤブガラシの見分けポイント
  • ヘクソカズラの花と実の特徴
  • クズのつると葉の見分け
  • カナムグラのトゲと葉の特徴
  • アレチウリの実とつるの特徴

つる性植物の雑草一覧を写真で確認

最初に、自分の家や近所と生えている場所が似ている写真を探します。木にからんでいるのか、フェンスにはっているのか、地面をおおっているのかなど、環境が近い写真を選ぶと、実物との違いをイメージしやすくなります。

次に、葉の形が似ているものをいくつかピックアップし、一枚ずつ拡大して見ます。同じ緑色の葉でも、光沢があるもの、少しザラザラしたものなど、よく見ると違います。葉柄の長さや太さ、葉の裏の色なども、拡大写真なら確認しやすくなります。

写真一覧には、撮影した季節が混ざっていることも多いです。春と夏、秋では、同じつる性植物でも姿がかなり変わります。撮影時期が書かれている場合は、自分が見ている季節と近い写真を優先して比べると、より現物に近い姿をつかみやすくなります。

ヤブガラシ

特徴:地下に太い根を張り、地上につるを長く伸ばして他の植物に絡みつく強い繁殖力を持つ雑草です。夏になると小さな花が房状に集まって咲きます。
分布:全国に広く分布し、市街地から山林まで幅広く見られます。
発生場所:庭、空き地、畑の周辺、フェンス沿い、物置の裏
備考:地下茎が切れても再生しやすく、完全な駆除には継続的な対策が必要になります。
見分け方:五枚の小葉が一枚の葉のようにまとまってつき、つるの先にオレンジ色が混ざる小花が集まって咲くのが特徴です。

ヘクソカズラ

特徴:茎や葉を触ると独特のにおいがあり、夏から秋にかけて小さな花と実をたくさん付けます。
分布:全国に分布し、住宅地周辺でもよく見られます。
発生場所:フェンス沿い、空き地、庭木の根元、道ばた
備考:実が大量にでき、鳥などによって種が広がりやすい性質があります。
見分け方:白い花の中心が赤紫色になっている星形の花と、秋に並んで付く丸い実がセットで確認できれば判別しやすくなります。

クズ

特徴:非常に生長が早く、大きな葉と太いつるで広範囲を覆ってしまう大型のつる性植物です。
分布:全国の山野、河川敷、斜面などに広く分布しています。
発生場所:土手、空き地、道路沿い、山の斜面
備考:地下に太い根を持ち、一度広がると数年単位での管理が必要になります。
見分け方:1か所から三枚一組で出る大きな葉と、夏に房状に垂れ下がる紫色の花が特徴です。

カナムグラ

特徴:茎や葉に細かいトゲがあり、触れるとチクチクするのが特徴の一年生のつる性雑草です。
分布:全国の河川敷や空き地に分布しています。
発生場所:河川敷、畑の周辺、フェンス沿い、空き地
備考:種で増えるため、秋までに実を付けさせない管理が有効になります。
見分け方:手のひらのように深い切れ込みのある葉と、茎にびっしり並ぶ細かなトゲで見分けられます。

アレチウリ

特徴:大きな葉と巻きひげを使って一気に広がる外来のつる性雑草です。
分布:関東以西を中心に全国へ拡大しています。
発生場所:河川敷、湿った空き地、道路沿い
備考:種の拡散力が非常に強く、毎年急激に増える傾向があります。環境省の生態系被害防止外来種リストに指定されています。(生態系被害防止外来種リスト:https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/files/gairai_panf_a3.pdf
見分け方:トゲだらけの楕円形の実と、大きなハート形の葉が最も分かりやすい特徴です。

ツルニチニチソウ

特徴:地面を這うように広がり、観賞用としても利用されることのあるつる性植物です。
原産地:ヨーロッパ
分布:全国の庭先や公園周辺に見られます。
発生場所:庭、花壇、道ばた
備考:一度広がると他の植物の生育を妨げることがあります。環境省の生態系被害防止外来種リストに指定されています。(生態系被害防止外来種リスト:https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/files/gairai_panf_a3.pdf
見分け方:一年中つやのある葉を保ち、春に青紫色の花を単独で咲かせます。

スイカズラ

特徴:常緑のつる性植物です。甘い香りの花を咲かせるつる性植物で、自然林にも多く見られます。
分布:全国の山野に広く分布
発生場所:雑木林、斜面、フェンス沿い
備考:観賞用として植えられることもあり、野生化することがあります。
見分け方:白から黄色に色が変わる細長い花が2本並んで咲くのが特徴です。

ノブドウ

特徴:つるで絡みつきながら伸び、秋に色とりどりの実を付ける野生植物です。
分布:全国の山野や空き地
発生場所:河川敷、林の縁、フェンス沿い
備考:実は色鮮やかですが食用には適しません。
見分け方:一つの枝に青・紫・ピンクなど複数色の実が同時に付く独特の姿で見分けられます。

ツルドクダミ

特徴:地下茎で広がり、赤みのある茎を伸ばして一気に群生する大型のつる性雑草です。
分布:西日本を中心に拡大しています。
発生場所:空き地、河川敷、住宅地周辺
備考:地下茎が太く、掘り取る作業には根気が必要です。
見分け方:赤紫色の太いつると、大きなハート形の葉が目立つため遠くからでも判別しやすくなります。

ツルマメ

特徴:大豆の原種とされるつる性一年草で、細いつるを伸ばしながら周囲の植物に絡みついて成長します。
分布:全国の野原や河川敷に広く分布しています。
発生場所:空き地、土手、畑の周辺、道ばた
備考:在来種でありながら増殖力が強く、放置すると一面を覆うことがあります。
見分け方:葉が三枚一組で出て、夏に小さな紫色の豆のような花を咲かせる点で判別できます。

フウセンカズラ

特徴:細いつるを伸ばし、夏から秋にかけて風船のように膨らむ実を付ける一年生植物です。
分布:全国の庭や空き地で見られます。
発生場所:フェンス沿い、庭、プランター周辺
備考:観賞用として植えられることも多く、こぼれ種で翌年も発生します。
見分け方:紙風船のようにふくらんだ三角形の実が連なって付く点で簡単に見分けられます。

アオツヅラフジ

特徴:つるで絡みつきながら伸び、秋に青紫色の小さな丸い実を房状に付ける木質のつる性植物です。
分布:本州以南に広く分布しています。
発生場所:林の縁、フェンス沿い、山の斜面
備考:実には毒性があるとされ、誤って口にしないよう注意が必要です。
見分け方:ぶどうの房に似た青紫色の実が垂れ下がって付く点が最大の特徴です。

次の項目から、代表的な雑草の見分け方も説明していきます。

ヤブガラシの見分けポイント

ヤブガラシは、庭や空き地でとてもよく見かけるつる性雑草です。名前の通り、ほうっておくと他の草木にびっしりからみつき、景色をすっかり変えてしまうことがあります。

ヤブガラシを写真から見分けるときの大きなポイントは、葉と花です。
葉は、五枚の小さな葉が集まって一つの葉のようになっている形をしています。小さな葉のふちは細かくギザギザしていて、表面は少し光沢のある濃い緑色、裏側はやや淡い色をしています。

つるは細く長く伸び、周りの草木やフェンスにからみつきながら上へ上へと進みます。夏には、つるの先のほうに小さな花がたくさん集まって咲きます。花は黄緑色からオレンジ色で、真ん中が少し目立つ形をしています。

地面を少し掘ると、白っぽい太い根が横に長くのびていることがあります。これは地下茎と呼ばれ、この部分からも新しい芽が出ます。地上のつるだけを切っても、しばらくするとまた伸びてくることが多いのはこのためです。

ヤブガラシらしいかどうか迷ったときは、五枚の葉の形、小さな花が集まっている様子、地下から何本もつるが出ている広がり方などを、写真と合わせて確かめると判断しやすくなります。

ヘクソカズラの花と実の特徴

ヘクソカズラは、においで覚えられていることが多いつる性雑草です。葉や茎をこすると、独特のにおいを感じる場合があります。

ヘクソカズラの一番の目印は、白と赤のコントラストがはっきりした花です。夏から初秋にかけて、直径1センチほどの筒状の花が咲きます。花の外側は白っぽく、中心に向かうほど赤紫色が濃くなっていて、星のような形に開きます。写真でもこの色の組み合わせがとても目立ちます。

秋になると、小さな丸い実がたくさん付きます。実ははじめは緑色で、熟すと黄褐色から茶色になり、乾くとかるくなって、中に細かい種が詰まっています。つる全体にびっしり実が付いている写真は、ヘクソカズラを見分ける大きな手がかりになります。

葉は対になって枝に付き、卵形から少し細長い形で先端がとがっています。表面には少しつやがあり、葉脈がはっきり見えることが多いです。つるは他の草木にからまりながら伸び、ときには束になってもつれたように見えることもあります。

写真からヘクソカズラかどうかを確かめるときは、白と赤紫の筒状の花、秋に目立つ丸い実、先がとがった卵形の葉がそろっているかどうかに注目すると、ほかのつる性雑草と区別しやすくなります。

クズのつると葉の見分け

クズは、とても力強いつる性植物で、道路わきや斜面、空き地などを一面おおってしまうことがあります。一度広がると片付けるのに時間がかかるため、特徴を早めに覚えておくと役に立ちます。

クズの大きな特徴は、三枚一組の大きな葉です。一つの節から三枚の葉が出ていて、それぞれの葉は手のひらより大きくなることもあります。形は丸みのある三角形のような印象で、表面に細かい毛が生えていることもあります。斜面などで群れになって生えている写真では、大きな緑の布がかぶさっているように見えることが多いです。

夏から秋にかけて、濃い紫色から赤紫色の花が房になって咲きます。甘い香りがあり、写真でも房状にぎゅっと集まった花の姿がよく分かります。花が終わると、毛の生えた細長いサヤが付き、冬になっても枯れたサヤがつると一緒に残ることがあります。

つる自体も太く丈夫で、地面をはううちに節ごとに根を下ろします。そのため、根元だけを切っても、ほかの場所に根づいた部分からまた伸びてくることがあります。

クズらしいか迷ったときは、「とても大きな三枚葉」「斜面や土手をすっぽりおおう広がり方」「房になった紫の花」という三つのポイントを、写真と実物で比べると見分けがしやすくなります。

カナムグラのトゲと葉の特徴

カナムグラは、河川敷や空き地、庭のはじなどでよく見かける一年生のつる性雑草です。伸びる勢いが強く、トゲがあるため、作業するときに少し注意が必要な種類です。

茎や葉柄には細かいトゲがたくさんあり、素手でさわるとチクチクします。軍手や服にも引っかかりやすいため、写真で茎をよく見ると、細い毛のようなものが並んでいるのが分かることがあります。

葉は向かい合って付き、手のひらを広げたような形です。深い切れ込みが何本か入っていて、角ばった印象があります。葉のふちは細かくギザギザしており、写真でも輪郭がシャープに見えます。

つるは細く長く伸び、周りの草木やフェンスにからみつきながら上に進みます。夏から秋にかけて、小さな花がたくさん付きますが、ぱっと見ではあまり目立ちません。

カナムグラかどうか迷うときは、「手のひら型の葉」「茎と葉柄のトゲ」「周りのものにからむ細いつる」という三つの点を、写真と照らし合わせると判断しやすくなります。

アレチウリの実とつるの特徴

アレチウリは、川の近くや湿った空き地などで急に一面に広がることがあるつる性雑草です。特に実の姿がかなり特徴的で、写真でもすぐ目につきます。

葉は大きめのハート型で、手のひらよりも大きくなることもあります。表面は少しザラザラした感じで、ふちに浅い切れ込みが入ることがあります。葉柄が長いので、風が吹くと大きな葉がふわふわと揺れます。

つるは柔らかく、巻きひげを出して周りの草木やフェンスにからみつきます。短い時間でもどんどん長くなるため、気づいたときには広い範囲をおおっていることも少なくありません。

一番の特徴はトゲのある実です。卵のような楕円形の実の表面に、硬いトゲがびっしり生えています。まだ若いときは明るい緑色で、熟すと黄褐色になり、中には大きな種が入っています。写真では、このトゲだらけの実が強いインパクトを与えます。

アレチウリは一株からたくさんの実を付けます。種は水に流されて遠くまで運ばれることもあり、川沿いなどで一気に広がる原因になります。写真から判断するときは、「大きなハート型の葉」「巻きひげのあるつる」「トゲだらけの楕円形の実」がそろっているかどうかを確認すると、見分けやすくなります。

つる性植物の雑草写真と駆除方法

  • つる性植物の雑草駆除の基本
  • 放置すると起こりやすいトラブル
  • 庭木や家に与える影響
  • 生えやすい場所の特徴
  • 一気に広がる理由
  • 増えにくい庭づくりの考え方
  • 小さいうちに見つけるための観察ポイント

つる性植物の雑草駆除の基本

つる性植物の雑草を減らしたいときは、まず「どのように増える種類なのか」を知るところから始めます。一年で枯れる一年生なのか、地下に太い根や地下茎を持つ多年生なのかで、対策の考え方が変わるためです。

一年生のつる性雑草は、種ができる前の早い時期に抜き取ると、翌年の発生をかなり減らしやすくなります。根が浅いものが多いので、土がやわらかいときに引き抜くと作業しやすくなります。

クズやヤブガラシのように地下茎で広がる多年生の雑草は、地上のつるだけを刈っても、地下の太い根から何度も伸びてきます。このような種類は、少しずつでも地下茎を掘り出す作業をくり返すことが、長い目で見ると役に立ちます。

除草剤を使う場合は、商品ごとに対象となる植物や使い方が異なります。ラベルに書かれている使用方法や注意事項をよく読み、周りの庭木や家庭菜園に薬剤がかからないように細心の注意を払うことが求められます。

手で作業するときは、軍手やゴム手袋、長袖、長ズボンを着用し、トゲのあるカナムグラやアレチウリから肌を守ります。一度にすべてを片付けようとすると大変なので、場所を少しずつ区切り、数日に分けて作業すると続けやすくなります。

切り取ったつるや抜いた株は、その場に放置しないようにします。実や種が付いている場合、あとで種がこぼれてしまうことがあるためです。地域のごみのルールに従い、可燃ごみとして処理するなど、きちんと片付けることで再発を防ぎやすくなります。

つる性雑草を放置すると起こりやすいトラブル

つる性雑草を放置したときに最初に目につきやすいのは、庭や家まわりの見た目の変化です。生長のスピードが速いため、気づいたときにはフェンスや庭木、物置の壁などが、つるで一気に覆われてしまうことがあります。こうなると景観が損なわれるだけでなく、庭全体が雑然とした印象になりやすくなります。

さらに大きな問題となるのが、他の植物への影響です。つるが花木や野菜に絡みつくと、葉の上に重なって日光を遮ってしまいます。光合成が十分にできなくなることで、花付きが悪くなったり、実が育ちにくくなったりすることがあります。また、風通しも悪くなるため、蒸れや病気の原因につながることもあります。

トゲのあるつる性雑草の場合は、思わぬケガにつながる危険性もあります。カナムグラやアレチウリのように茎や実にトゲがある種類では、気づかずに触れてしまい、手や腕をひっかいてしまうケースも少なくありません。特に草刈りの最中や、子どもが遊ぶ場所の近くにある場合は注意が必要です。

また、つる性雑草の中には外来種と呼ばれる種類も含まれており、自然環境への影響が問題になることもあります。外来植物の拡大については、国の機関でも注意喚起が行われています。

放置する期間が長くなるほど、つるは太く絡まり、根も深く張っていきます。その結果、片づけにかかる時間と労力が増え、途中で作業をあきらめてしまう原因にもなります。小さなうちに気づいて対処することが、結果として最も負担の少ない方法といえます。

つる性植物が庭木や家に与える影響

つる性植物が庭木に絡みつくと、まず起こりやすいのが日光不足による弱りです。つるの葉が庭木の葉の上を覆ってしまうと、光合成に必要な日光が届きにくくなります。その状態が続くと、葉の色が悪くなったり、枝の成長が鈍くなったりして、庭木全体の元気が少しずつ失われていきます。

家の壁やフェンスに絡みついた場合は、見た目の乱れや掃除のしにくさが問題になります。枯れたつるや落ち葉がすき間にたまりやすくなり、そこに湿気がこもることで、汚れやカビの原因になることもあります。特に北側や日陰になる位置では、乾きにくいため注意が必要です。

さらに、つるが長く伸びて重くなると、構造物への負担も無視できなくなります。雨で水分を含んだつるは想像以上に重くなり、風で揺れることで、支柱やフェンスが曲がったり、場合によっては倒れてしまったりすることもあります。老朽化したフェンスや軽い構造の支柱ほど影響を受けやすくなります。

このように、つる性植物は単なる「見た目の問題」だけでなく、庭木の健康や家まわりの安全性にも影響を与える存在であるため、早めに把握し、適切に対処することが大切になります。

つる性植物が生えやすい場所の特徴

つる性植物は、光・水・支えになる構造物という三つの条件がそろった場所で特に生育しやすくなります。多くの種類は日当たりのよい環境を好み、光合成を活発に行える場所ほど生長のスピードが上がります。

一方で、極端に乾燥した土地よりも、土にある程度の湿り気がある場所の方が根を張りやすく、結果としてつるの伸びも安定します。庭の隅、フェンスの足元、物置の周囲、空き地の草むらなどが生えやすいのは、こうした条件が自然にそろいやすいためです。

また、つる性植物にとって欠かせないのが絡みつける対象の存在です。フェンスや支柱、庭木、エアコンの配管、ブロック塀などがあると、つるは安定して上方向へ伸びることができます。地面をはうだけでは広がりに限界がありますが、登れる環境があると一気に高所まで伸び、周囲の植物や建物まで覆ってしまうこともあります。

さらに、風通しが悪く、人の手があまり入らない場所も要注意です。風が通らないと土の乾きが遅く、湿度が保たれやすくなります。

加えて、草刈りや掃除の頻度が低い場所では、小さな芽がそのまま見過ごされやすく、気づいた頃には大きく育っているケースも少なくありません。つる性植物は、こうした「見えにくい場所」「手入れの少ない場所」を起点に広がることが多いのが特徴です。

つる性雑草が一気に広がる理由

つる性雑草が短期間で広範囲に広がるのは、生長スピードが非常に速い種類が多いためです。気温が上がる春から夏にかけては、1日に数センチ以上つるを伸ばす種類もあり、数日目を離しただけで印象が一変することもあります。特に雨の後や気温の高い時期は、生育が一気に加速しやすくなります。

もう一つの大きな理由が、種を大量につくる性質です。多くのつる性雑草は、一株から数十個から数百個単位の種をつくることがあります。これらの種は、風に飛ばされたり、雨水に流されたり、鳥や小動物の体に付着して運ばれたりすることで、元の場所から離れた所にも広がっていきます。その結果、思いがけない場所で突然発芽することが起こります。

さらに、クズやヤブガラシのように、地面の下で根が横に広がるタイプも注意が必要です。この種類は地下茎と呼ばれる太い根を張り巡らせ、そこから何本も新しい芽を出します。地上のつるを刈り取っても、地下の根が残っていれば再び伸びてくるため、見た目以上に増殖力が強く感じられます。

外来のつる性雑草については、自然環境への影響が問題視されることもあり、国の機関でも注意喚起がされています。例えば、つる性外来植物の拡大が生態系に与える影響については、環境省の資料でも解説されています。
(出典:環境省「外来生物対策」https://www.env.go.jp/nature/intro/)

このように、速い生長・大量の種・地下での広がりという三つの要素が重なることで、つる性雑草は短期間で一気に勢力を広げてしまうのです。

つる性植物が増えにくい庭づくりの考え方

つる性植物を増やしにくくするための基本は、「つるが根づく前に環境を整えること」です。まず大切なのは、庭を草が伸び放題の状態にしないことです。こまめな草取りや草刈りを行うだけでも、つる性雑草が芽を出して育つ場所は大きく減らすことができます。

地面がむき出しになっている場所は、特につる性雑草にとって発芽しやすい環境になります。そうした場所には、防草シートを敷いたり、砂利やウッドチップを敷いたりすることで、光を遮り、芽が出にくい状態をつくることができます。これにより、発生そのものを抑える効果が期待できます。

フェンスや支柱の足元も、つる性植物が入り込みやすいポイントです。週に一度、あるいは月に数回でもよいので、こうした場所を意識して見回り、小さな芽のうちに取り除く習慣をつけると、広がる前に対処しやすくなります。

また、庭に植えている植物同士の間にすき間が多すぎると、そこがつる性雑草の侵入経路になりやすくなります。適度に地表が植物で覆われている状態を保つことで、つるが入り込む余地を減らすことにつながります。

一度に完璧な状態を目指す必要はありません。少しずつでも手をかけ、気づいたときに対応していくことで、つる性植物が増えにくい、すっきりとした庭を無理なく保ちやすくなります。

小さいうちに見つけるための観察ポイント

つる性雑草は、生長の初期段階では見た目が普通の草とほとんど変わらず、気づかれにくい存在です。しかし、この「見分けにくい小さな時期」に発見できるかどうかで、その後の管理の手間は大きく変わってきます。

生長してから対処しようとすると、絡みついたつるをほどいたり、広がった範囲を刈り取ったりと、作業の負担が一気に大きくなってしまいます。そのため、日頃のさりげない観察がとても大切になります。

芽の伸び方

まず意識したいのが、芽の伸び方です。

つる性雑草は、まっすぐ上に伸びるというより、地面をはうように細長く伸びていく傾向があります。

まだ数センチから十数センチほどの段階でも、周囲の草とは違う「横に伸びる動き」を見せることが多いため、これが最初の気づきの合図になります。

地面をはうように細長く伸びる芽が出ていないか?

次に確認したいのが、フェンスや庭木の根元です。

つる性雑草は、はじめから絡みつく場所を目指す性質があるため、金網、支柱、庭木の幹の根元などから細いつるが伸び出していることがよくあります。

人の目線より低い位置で静かに伸び始めるため、意識して見ないと見逃しやすいポイントです。

フェンスや庭木の根元から細いつるが伸びていないか?

葉の形も重要な判断材料になります。

まだ小さい段階でも、葉にうっすらと切れ込みがあったり、先端がとがっていたりと、つる性雑草特有の形が見え始めることがあります。

葉の大きさだけでなく、形や縁のギザギザなどにも目を向けることで、早い段階で異変に気づきやすくなります。

葉の形が少し変わっていて、切れ込みがあるかどうか

観察に適した時期は、特に春から初夏にかけてです。

この時期は気温と水分条件が整いやすく、多くのつる性雑草が一斉に芽吹きます。週に一度でも庭をゆっくり見て回る習慣をつけることで、つるが本格的に伸びる前に発見しやすくなります。

小さいうちに見つけて抜き取っておけば、根も浅く、力を入れずに作業ができます。結果的に、夏本番になってからの重労働を避けることにつながり、庭の管理がぐっと楽になります。

  • つる性雑草は写真と比べることで種類を特定しやすくなる
  • ヤブガラシやクズなど代表種の葉と花が判別の鍵になる
  • 雑草の多くは春から夏に急成長するため早期発見が大切になる
  • 写真一覧では生えている場所や季節も合わせて確認するとよい
  • ヤブガラシは五枚の小葉と地下茎の太い根が特徴となる
  • ヘクソカズラは白と赤紫の筒状の花と丸い実で見分けられる
  • クズは大きな三枚葉と房状に咲く紫色の花が目印になる
  • カナムグラは手のひら状の葉と茎の細かなトゲに注意が必要になる
  • アレチウリはハート形の大きな葉とトゲだらけの実が特徴となる
  • つる性雑草の中には生態系への影響が懸念される外来種も含まれる
  • 一年生か多年生かで抜き取りや除草剤など駆除の方針が変わってくる
  • つる性雑草を放置すると庭木の日照不足や風通しの悪化を招きやすい
  • 早い段階で横に伸びる芽や切れ込みのある葉に気づくことが管理の近道になる
  • 防草シートや砂利を活用し発芽しにくい環境を整えると再発を減らせる
  • 定期的な見回りと小さな芽のうちの対処で無理なくきれいな庭を保ちやすくなる
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