植物で雑草対策！庭や畑の手入れを楽にする方法

雑草を抜いてもすぐ生えてきて、庭や畑の手入れに疲れてしまうことは多いです。草刈り機や防草シートだけに頼るのではなく、雑草対策 植物を上手に使うと、手入れ不要に近い状態に近づけることができます。

一年中緑を保つ常緑のグランドカバーを植えれば、日陰のスペースも含めて地面をきれいに覆い、花が咲く種類を選べば見た目も楽しめます。

また、畑の通路や空地など土がむき出しの場所は、雑草が生えやすいだけでなく、泥はねや転倒の原因にもなります。こうした場所に合った植物を選べば、歩きやすくなり、虫よけ効果が期待できるものもあります。

この記事では、庭や畑、空地などの環境別におすすめの植物を紹介しながら、できるだけ手間をかけずに続けられる雑草対策の考え方をわかりやすく整理していきます。

雑草対策　植物の選び方の基本

雑草対策に手入れ不要な植物

雑草対策に向いた植物を選ぶときは、まず「手入れ不要に近いかどうか」を意識すると考えやすくなります。実際には完全に手入れゼロにはなりませんが、なるべく水やりや剪定の回数が少なくて済む品種を選ぶことで、日々の負担がぐっと軽くなります。

雑草対策に向きやすい植物には、次のような共通点があります。

たとえばクラピアやヒメイワダレソウのようなグランドカバーは、踏まれても強く、横方向に広がるので、土を覆って雑草の発芽を抑えやすいとされています。背丈も低めで管理しやすく、芝生よりも刈り込みの頻度を減らせる場合があります。

一方で、よく広がる植物の中には、環境によっては増えすぎてしまう種類もあります。植える前に「どこまで広がってほしいのか」「境界部分はどう区切るのか」をイメージしておくと、あとで困りにくくなります。レンガや縁石で区切ったり、通路との間に砂利を敷いたりして、広がり方を調整する方法も有効です。

このように、「手入れ不要」に近づけるためには、性質の穏やかなグランドカバーを選びつつ、エリア分けもあわせて考えることがポイントになります。

一年中緑を保つ常緑グラウンドカバー

雑草対策 植物として人気が高いのが、常緑のグランドカバーです。一年中緑を保つことで、冬場も土が見えにくくなり、景観が安定します。

代表的な常緑グランドカバーには、次のようなものがあります。

タマリュウ

特徴： 細長い葉が密に生える常緑の多年草で、和風庭園や目地植栽に定番。手入れが少なくて済むため初心者にも人気です。
草丈： 約5〜10cm
開花時期： 夏（6月〜7月頃に淡い花）
耐寒性： 強い
踏みつけ強度： 高い
日照条件： 半日陰〜日陰に強い
備考： 成長がゆっくりで、雑草を抑え効果もあります。日陰でも育つため北側の駐車場にも向いています。

アイビー

特徴： 常緑のツル性植物で、壁面緑化や地被植物としても活躍。日陰にも強く管理も簡単です。
草丈： ツルが地面を這って広がる
開花時期： 秋（花はあまり目立たない）
耐寒性： 強い
踏みつけ強度： 低〜中
日照条件： 日陰〜半日陰

リッピア（ヒメイワダレソウ）

特徴： 踏まれても傷みにくく、細かな葉が地面をすばやく覆う常緑性の多年草です。雑草を抑えながらナチュラルな雰囲気をつくりやすく、庭やアプローチで使いやすい植物です。
草丈： 5〜10cm程度で横に広がる
開花時期： 初夏〜秋（小さな白〜淡ピンクの花）
耐寒性： 強い
踏みつけ強度：中
日照条件： 日向〜半日陰

芝桜

特徴： 地面をはうように広がり、春には一面を鮮やかな花で覆う多年草です。雑草を抑えつつ華やかな景観を楽しめるため、庭の法面や花壇の縁にも使われます。
草丈： 20〜100cm程度
開花時期： 春（ピンク・白・紫などの花）
耐寒性： 強い
踏みつけ強度：低
日照条件： 日向（しっかり日が当たるほど花つき良好）

常緑の植物は、冬に地上部が枯れてしまう一年草よりも、長く同じ場所を保ってくれるため、雑草のすき間ができにくくなります。ただし、常緑でも生育が弱い環境ではスカスカになってしまうことがあるため、日当たりや土質との相性を確認することが大切です。

また、常緑グラウンドカバーは「背丈の低さ」も選ぶポイントになります。背が高く伸びてしまうと、かえって刈り込みの手間が増えることがあります。10〜20センチ程度までの品種で、横に広がるタイプを中心に考えると、管理が穏やかになります。

庭全体を常緑で覆うのが難しい場合は、よく目に入る場所だけを常緑グラウンドカバーにして、その他の場所は砂利やマルチング材などと組み合わせる方法もあります。複数の対策を組み合わせることで、コストと手間のバランスがとりやすくなります。

日陰でも育つ地被植物の種類

家の北側や建物の影、樹木の足元など、日陰の場所は雑草が生えにくいように思われがちですが、実際にはシダ類や耐陰性の雑草が残りやすく、見た目が中途半端になってしまうことがあります。そこで役立つのが、日陰でも育つ地被植物です。

日陰に強い地被植物の一例としては、次のようなものが知られています。

フッキソウ

特徴： 常緑で一年を通して葉が美しく、半日陰でも育ちやすい多年草です。群生しながら地面をしっかり覆い、落ち着いた雰囲気の庭によく合います。
草丈： 20〜30cm前後
開花時期： 春（白い小さな花）
耐寒性： 強い
踏みつけ強度： 低
日照条件： 半日陰〜日陰

ツルニチニチソウ

特徴： 常緑のつる性植物で、丈夫で広がりやすく、日陰でも育つ扱いやすい種類です。春には青や白の花を咲かせ、彩りを添えます。
草丈： つるが地面を這いながら広がる
開花時期： 春（青・白などの花）
耐寒性： 強い
踏みつけ強度： 低
日照条件： 日陰〜半日陰

ギボウシ（一部の半日陰向き品種）

特徴： 葉の模様や形が美しく、半日陰で育てやすい多年草です。柔らかい雰囲気で庭に彩りを与え、地面を覆う役割も期待できます。
草丈： 20〜60cm（品種によって差あり）
開花時期： 初夏〜夏（薄紫や白の花）
耐寒性： 強い
踏みつけ強度： 低
日照条件： 半日陰

ヒューケラ（カラーリーフ）

特徴： 葉色が豊富で、赤・紫・緑・シルバーなど多彩なカラーを楽しめる多年草です。半日陰でも育ち、庭のアクセントや地被植物として活躍します。
草丈： 20〜40cm程度
開花時期： 初夏（細い花茎に小花をつける）
耐寒性： 中〜強
踏みつけ強度： 低
日照条件： 半日陰〜日向（強い日差しは品種によって注意）

これらの植物は、直射日光があまり当たらない場所でも葉を保ち、地面を覆う働きが期待できます。ただし、完全な深い日陰よりも、明るい日陰や半日陰のほうが元気に育つ種類が多いです。

日陰スペースの土づくり

日陰でも育つ植物といっても、硬く締まった土や、水はけの悪い土では根が広がりにくくなります。

このような基本的な土づくりをしておくと、植え付け後の定着がよくなり、雑草対策としても効果が出やすくなります。

以上を踏まえると、日陰スペースは「草が生えにくいから放置」ではなく、「日陰に合う植物で覆ってしまう」ほうが、景観と管理の両方の面でおだやかに保てると考えられます。

花が咲くグランドカバーで対策

雑草対策 植物というと、緑一色の地被植物をイメージしがちですが、花が咲く種類を選べば、雑草抑えと彩りを同時にかなえやすくなります。

花が咲くグランドカバーの例としては、次のようなものがあります。

芝桜

特徴： 地面をはうように広がり、春には一面を鮮やかな花で覆う多年草です。雑草を抑えつつ華やかな景観を楽しめるため、庭の法面や花壇の縁にも使われます。
草丈： 20〜100cm程度
開花時期： 春（ピンク・白・紫などの花）
耐寒性： 強い

クリーピングタイム

特徴： ハーブの一種で、踏むとほのかな香りが漂います。グランドカバーとしても人気があります。
草丈： 約5〜10cm
開花時期： 5月〜6月
耐寒性： 強い
踏みつけ強度： 中
日照条件： 日向
備考： 草丈が低いため目地や通路にも向いています。ただし強い踏圧が連続すると傷む場合があります。
開花時期： 春（ピンク・白・紫などの花）
耐寒性： 強い

リッピア（ヒメイワダレソウ）

特徴： 踏まれても傷みにくく、細かな葉が地面をすばやく覆う常緑性の多年草です。雑草を抑えながらナチュラルな雰囲気をつくりやすく、庭やアプローチで使いやすい植物です。
草丈： 5〜10cm程度で横に広がる
開花時期： 初夏〜秋（小さな白〜淡ピンめるため、庭の法面や花壇の縁にも使われます。
草丈： 20〜100cm程度
開花時期： 春（ピンク・白・紫などの花）
耐寒性： 強い

これらは背丈が低く、横に広がる性質があり、開花期には花壇のような華やかさを楽しめるとされています。

花が咲く植物を選ぶときの注意点

花が咲くグランドカバーを雑草対策に使うときは、次の点も意識すると安心です。

特に、タイム類やクローバーなどは、花に虫が集まりやすい面があります。害虫が増えるというよりは、自然な生き物が増えるイメージですが、小さな子どもがよく遊ぶ場所では、様子を見ながら配置を考えると安心です。

花が咲く植物をうまく取り入れると、雑草対策という実用面だけでなく、季節感のある庭づくりにもつながります。

庭に合う低木と地被植物

庭全体の雑草対策を考えるときは、地面を覆うだけでなく、低木と地被植物を組み合わせると、立体感が出て管理もしやすくなります。

低木は、地面から0.5〜1.5メートル程度までの高さでまとまり、あまり大きくなりすぎない樹木です。たとえば、次のような種類があります。

アベリアやボックスウッドなどの生け垣向き低木

特徴： 丈夫で形を整えやすく、生け垣や境界づくりに向いた常緑低木です。成長が穏やかで管理しやすく、庭の背景づくりに役立ちます。
耐寒性： 強い
日照条件： 日向〜半日陰

サツキやツツジなどの花木

特徴： 春に鮮やかな花を咲かせる低木で、庭のアクセントとして人気があります。常緑性を保ちながら、四季を感じられる植木として使えます。
草丈： 30〜150cm（種類や剪定で調整可能）
開花時期： 春（品種により多少前後）
耐寒性： 強い
日照条件： 日向〜半日陰

常緑のナンテンやヒイラギナンテン

特徴： 落葉しない常緑低木で、赤い実や独特の葉色が庭の雰囲気づくりに貢献します。日陰にも比較的強く、和風・洋風どちらの庭にも調和します。
草丈： 50〜150cm（種類により差あり）
開花時期： 初夏
耐寒性： 強い
日照条件： 半日陰〜日向

低木の足元に、タマリュウやフッキソウなどの地被植物を組み合わせると、土の露出が減り、雑草が生えるすき間を少なくできます。また、木の根元を守る役割も期待できます。

庭で雑草が気になる場所は、よく見ると「何も植わっていない空きスペース」であることが多いです。そうした部分に低木と地被植物をバランスよく配置すると、見た目も整い、草取りの回数も徐々に減っていきます。

庭の大きさや日当たりに合わせて、低木とグランドカバーを組み合わせて考えることが、無理のない雑草対策につながると言えます。

場所別でチェック！雑草対策の植物

畑の通路に適したグランドカバー

畑は土が豊かで日当たりもよいことが多く、放っておくと雑草が一気に増えやすい環境です。とくに畝間の通路は、人が歩くたびに草が気になりやすい場所です。ここに合う雑草対策 植物を選ぶと、作業性が上がり、草取りの負担も軽くなります。

畑の通路に向きやすい条件としては、次のような点が挙げられます。

たとえば、クローバーの一部品種や、クリーピングタイムなどの丈の低いハーブ類は、踏圧に比較的強いとされています。ただし、作物の根元に入り込みすぎると管理しづらくなるため、通路の幅や植える位置を意識する必要があります。

畑で使うときの注意点

畑は野菜や果樹を育てる場所のため、通路に植えるグランドカバーも、次の点を意識して選ぶと安心です。

場合によっては、植物による対策だけでなく、通路にウッドチップやバークチップを敷く方法と組み合わせると、さらに管理が楽になります。植物と資材をうまく併用することで、畑の通路も歩きやすく、草取りに追われにくい環境に近づけることができます。

空地を覆う背丈の低い植物

空地や使っていない一角は、雑草が伸び放題になりやすい場所です。定期的に草刈りをするのが難しい場合は、背丈の低い植物で一面を覆い、雑草の生えるスペースを減らす方法が役立ちます。

空地向けの雑草対策 植物としては、次のようなポイントで選ぶと考えやすくなります。

草丈が高くなる多年草を空地に植えると、かえって管理が難しくなることがあります。できるだけ20センチ前後までの背丈で、地面に沿って横に広がるタイプを中心に検討すると、見通しがよく保ちやすくなります。

また、空地は日当たりが強い場合が多く、夏の乾燥にもさらされやすい場所です。耐暑性や耐乾性に配慮された品種を選び、植え付け直後だけはしっかりと水やりをして根付かせることが大切です。根が十分に張れば、その後の管理はぐっと楽になります。

空地を放置すると、背の高い雑草や木本雑草が入り込みやすくなります。背丈の低い植物で早めに地面を覆っておくことが、長い目で見ると管理コストを下げることにつながると考えられます。

空地に向いている背丈の低い植物の例

1. クラピア（K7・S1など改良品種）

・芝生より背丈が低く、横に素早く広がる
・踏まれても傷みにくく、空地の管理に向く
・夏の乾燥にも比較的強い

2. ヒメイワダレソウ（リッピア）

・耐暑性が高く、乾燥しがちな空地でも育ちやすい
・5〜10cmほどの低い草丈で広がる
・初夏には白〜淡ピンクの小花

3. クリーピングタイム

・強い日差しに耐えやすく、ほふく性で地面を覆う
・踏まれてもそこまで弱らず管理しやすい
・初夏に淡い花が咲き、景観も良い

4. ダイカンドラ（ディコンドラ）

・やや乾燥に強く、丸い葉で地面を美しく覆う
・芝生より管理が穏やか
・草丈は約5〜10cmで横に広がりやすい

5. キランソウ（アジュガの低い品種）

・日向向けの品種もあり、広がり方が穏やか
・草丈が低く地面を均一に覆いやすい
・水はけが良い場所に向く

6. クローバー

・広がりやすいが、矮性品種なら管理しやすい
・踏圧に比較的強い
・日当たりの良い空地に向く

虫よけ効果が期待できる植物

雑草対策 植物の中には、香りや成分によって虫よけ効果が期待されている種類もあります。完全に虫がいなくなるわけではありませんが、庭の一部や通路沿いに取り入れることで、過ごしやすさの向上につながる場合があります。

たとえば、次のようなハーブ類は、古くから虫が苦手とする香りをもつと言われています。

レモングラス

特徴：レモンに似た香りの多年草
利用例：庭の一角、鉢植え

レモンバーム

特徴：柑橘系の香りの多年草
利用例：通路沿い

ローズマリー

特徴：針葉状の葉と強い香り
利用例：花壇の縁取り

ラベンダー

特徴：紫の花と落ち着いた香り
利用例：アプローチ周り

これらは香りが強く、好みによってはとても心地よく感じられます。ただし、虫よけ効果については環境によって差があり、完全な防除効果を期待するよりも、「少しでも虫との距離をとりたい場所に植える」くらいの感覚で取り入れると現実的です。

また、ハーブ類は大きくなりすぎると風通しが悪くなり、逆に虫がつきやすくなることもあります。定期的な刈り込みや間引きを行い、形を整えながら育てることが、長く楽しむためのコツになります。

虫よけ効果が期待できる植物を、雑草対策のグランドカバーや縁取りとして取り入れれば、見た目と実用性の両方の面でメリットを感じやすくなります。

初心者におすすめの植栽例

雑草対策 植物を取り入れたいと思っても、「どこから始めればよいかわからない」と感じることはよくあります。そこで、初めての人でも取り入れやすい、シンプルな植栽の組み合わせ例をいくつか紹介します。

庭の一角をシンプルにまとめる例

このように、背丈の違う植物を段階的に配置すると、見た目のバランスがとりやすく、土の露出も減らせます。

畑や家庭菜園の周りを整える例

このような植栽例は、すべてを一度に完成させなくても構いません。少しずつ植物を増やしながら、管理しやすい範囲で広げていけば大丈夫です。

初心者の場合は、「広い場所を一気に変える」のではなく、「目につきやすい一角を整える」ことから始めると、達成感を得やすくなります。そこから少しずつ範囲を広げていくことで、無理のない雑草対策が続けやすくなります。

雑草対策 植物選びのまとめ

• 雑草対策 植物は横に広がり背丈の低い種類を選ぶと管理が楽になる
• 常緑のグランドカバーを使うと一年中土が見えにくく景観が安定する
• 日陰には耐陰性のある地被植物を選び土づくりもあわせて行う
• 花が咲くグランドカバーを使うと雑草対策と彩りを同時にかなえられる
• 庭では低木と地被植物を組み合わせると立体感と雑草抑制を両立しやすい
• 畑の通路は踏圧に強く広がりすぎない植物と資材を併用すると歩きやすい
• 空地には乾燥に強い背丈の低い植物を選び早めに地面を覆うことが大切
• 虫よけ効果が期待されるハーブ類は通路や出入口周りに少量配置すると使いやすい
• 植物の広がりすぎを防ぐためにレンガや縁石などでエリアを区切る工夫が役立つ
• 完全な手入れ不要にはならないため負担を減らす方向で計画することが現実的
• 砂利やウッドチップなどの資材と雑草対策 植物を組み合わせると効果と見た目の両方を整えやすい
• 庭や畑の一部から少しずつ植栽を始めると初心者でも無理なく続けられる
• 日当たりや土質など場所ごとの条件に合った植物を選ぶことが失敗を減らす近道になる
• 増えすぎやすい種類はあらかじめ広がる範囲を想定し定期的な刈り込みで調整する
• 自分の暮らし方に合った雑草対策 植物を選ぶことで草取りに追われない庭づくりに近づける