彼岸花はその鮮やかな赤色で秋を彩る美しい花ですが、「彼岸花を植えてはいけない」といった言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
この記事では、彼岸花がなぜ植えてはいけないと言われるのか、その理由について詳しく解説していきます。また、植える際の風水的な考え方や、実は縁起がいいとされる側面についても紹介します。
さらに、彼岸花を上手に育てるための植え方や植える場所選び、育て方(地植えと育て方 プランターの違いも含めて)についてもわかりやすくまとめました。葉っぱしか出ない場合の対処法や、葉っぱ 切るタイミング、植える時期のベストなタイミング、球根の掘り上げの方法についても触れています。
この記事を読めば、彼岸花を「怖い花」として遠ざけるだけでなく、その本当の意味や、正しい育て方もきっとわかるはずです。不安を感じている方も、ポイントさえ押さえれば、彼岸花はあなたの庭に美しい彩りを添えてくれる存在になります。
一緒に、彼岸花の魅力と上手な付き合い方を学んでいきましょう。
- 彼岸花を植えてはいけないとされる理由がわかる
- 彼岸花を正しく育てるためのポイントが理解できる
- 風水や花言葉を通じた彼岸花の縁起について知ることができる
- 彼岸花の植え方や掘り上げ、管理方法を学べる
彼岸花を植えてはいけない理由は?
- 彼岸花の基本情報・花言葉
- 風水的にはどう?実は縁起がいいとも言われる理由
- 彼岸花の別名とその由来
- 海外での呼び名・言い伝え
- 彼岸花を植えてはいけない理由は?
- 言い伝えや風習から学ぶ、彼岸花の役割
彼岸花の基本情報・花言葉
彼岸花は、日本をはじめとするアジア各地に自生する多年草です。秋のお彼岸の時期に真っ赤な花を咲かせることから、「彼岸花」という名前が付けられました。
和名 | 彼岸花(ひがんばな) | ||
学名 | Lycoris radiata(リコリス・ラジアータ) | ||
科名 | ヒガンバナ科 | ||
原産地 | 中国(日本には古い時代に伝来したとされる) | ||
開花時期 | 7月中旬〜10月上旬(品種により異なる) | ||
特徴 | 花が咲いた後に葉が伸びる(葉と花を同時に見ない) | ||
花の色 | 赤が一般的、白や黄色の品種も存在 |
花言葉には「悲しき思い出」「あきらめ」「また会う日を楽しみに」といった意味があります。これらの花言葉は、彼岸花が咲く時期や、その鮮やかで儚い花姿から連想されたものです。特に「また会う日を楽しみに」という言葉は、亡くなった人との再会を願う気持ちを象徴しているといえるでしょう。
彼岸花の種類
彼岸花には、色や咲き方に違いがあるいくつかの種類があります。
リコリス・ラジアータ(一般的な赤い彼岸花)
日本で最もよく見られる、真っ赤な花を咲かせる種類です。

シロバナマンジュシャゲ
花びらが純白で、清らかな印象を与える品種です。赤い彼岸花と同じ時期に咲きます。

鍾馗水仙(ショウキズイセン)
黄色の花を咲かせます。暖地の山野の湿った場所に生えます。

リコリス・スプレンゲリー
薄いピンクがかった色をしていて、ふんわりと優しい雰囲気の花を咲かせます。

キツネノカミソリ
日本原産の彼岸花です。7月に開花します。

交配種
品種同士の自然交雑や人為的な交配によって、ピンクやオレンジ色を帯びた花も誕生しています。

このように、彼岸花は美しいだけでなく、日本人の精神文化にも深く根付いている植物です。初めて目にする方でも、その歴史や意味を知ることで、より興味深く感じられるかもしれません。
風水的にはどう?実は縁起がいいとも言われる理由

彼岸花は、「植えてはいけない」と言われる一方で、風水的には縁起がいいとされる側面もあります。これには理由があります。
まず、彼岸花の持つ鮮やかな赤色には、邪気を払い、悪い運気を遠ざける力があるとされています。このため、風水においては、彼岸花を庭に植えることで家の中に悪い気が入るのを防ぐ効果が期待できるのです。
また、彼岸花は「再生」や「永遠」といった意味も持つため、人生を前向きに進めたいときや、新たなスタートを切るときに飾ると良いと考えられています。例えば、新築祝いや引っ越しのタイミングで庭に植えると、良いエネルギーを呼び込めると言われることもあります。
一方で、彼岸花はその花のイメージから「死」や「別れ」を連想させることもあり、これを不吉と捉える人も少なくありません。そのため、風水的に活用する場合は、玄関周りやリビングなど目につきやすい場所ではなく、裏庭や家の外周に植えるのが望ましいとされています。
このように、彼岸花にはマイナスな印象もありますが、正しい場所に植えることで風水的なメリットを受け取ることができると考えられています。
彼岸花の別名とその由来
彼岸花は曼珠沙華(マンジュシャゲ)という別名が有名ですよね。でも実は他にもたくさんの別名がある面白い花なのです。
曼珠沙華 (まんじゅしゃげ) | サンスクリット語で「天上に咲く花」という意味。仏教由来。 | ||
死人花(しびとばな) | 墓地に多く咲くことから、死を連想して呼ばれるようになった。 | ||
地獄花(じごくばな) | 毒性が強く、また不吉な印象があるためこの名がついた。 | ||
幽霊花(ゆうれいばな) | 白くかすんだように咲く様子が幽霊に例えられた。 | ||
捨て子花(すてごばな) | 花が突然咲く様子が、捨てられた子どもを連想させたことから。 | ||
剃刀花(かみそりばな) | 細く鋭い花びらが刃物を思わせるため。 | ||
雷花(かみなりばな) | 秋の雷が鳴る頃に咲くことから名付けられた。 | ||
狐花(きつねばな) | 田んぼやあぜ道にひっそり咲く様子が、狐のいたずらのようだとされた。 | ||
毒花(どくばな) | 全草に毒があるため、人々に警戒心を持たせる意味で呼ばれた。 | ||
病花(やまいばな) | 咲く季節に病が流行ったため、不吉な花として恐れられた。 | ||
石蒜(せきさん) | 古い中国名。石の間から生える蒜(にんにく)という意味を持つ。 |
このように、彼岸花には時代や地域、信仰に結びついた多彩な別名が存在します。それぞれの名前には、人々の暮らしや自然観が反映されているんですね。
海外での呼び名・言い伝え
中国 | 曼珠沙華(まんじゅしゃか) | 仏教用語で「天上に咲く花」「幸せを呼ぶ花」を意味する。 | |
韓国 | 상사화(サンサファ) | 「相思華」と書き、花と葉が出会えないことから「恋人同士の別れ」を象徴する。 | |
台湾 | 曼陀羅華(まんだらげ) | 仏教の伝説に由来し、神聖な花として扱われる場合もあるが、悲しい別れを意味することもある。 | |
英語圏 | Red Spider Lily(赤いクモユリ) | 花の形がクモの脚のように見えるため。特に死や再生を連想させる花として扱われる。 |
このように、海外でも彼岸花は「別れ」「死」「霊界」「再生」といったテーマと結びついているケースが多いです。一方で、仏教文化圏では「天上の吉兆」としてポジティブな意味も持っているんですね。
もっと深堀りして、「各国の伝承・神話での扱われ方」もご紹介します。
中国の伝承
中国では、彼岸花(曼珠沙華)は「天界から舞い降りた花」とされる伝説があります。仏教経典では、曼珠沙華は「見るだけで悪行を消し去る」とされる神聖な花。また、川辺や道端に咲く様子から、あの世への道案内をする花とも考えられてきました。
韓国の伝承
韓国では、彼岸花は「상사화(サンサファ)」と呼ばれ、花と葉が同時に存在しないことに由来する伝説があります。
ある恋人同士が、互いに会うことを許されず、花と葉に姿を変えたが、同じ時期には決して出会えなかった…という悲恋の物語です。このため、サンサファは「永遠の別れ」や「一途な思い」を象徴しています。
日本の伝承
日本でも、彼岸花は「死人花(しびとばな)」「幽霊花」などと呼ばれ、死や彼岸(あの世)と強く結びついています。特に、お墓の周辺に多く植えられていたため、「死者を守る」「動物に墓を荒らされないようにする」役割がありました。
また一説には、彼岸花の毒性を利用して、田畑をモグラや害虫から守るためにも植えられていたそうです。
英語圏の扱い
英語圏では、Red Spider Lilyは一般的に「死と再生の象徴」とされることが多いです。特にアメリカ南部では、秋に一斉に咲く姿が「命の終わりと新たな始まり」を連想させるとされています。一方で、日本のように宗教的・仏教的な意味合いはほとんど持ちません。
こうして見ると、
- どの国でも彼岸花には「別れ」「死」「儚さ」といった深いテーマが込められている
- 一部では「幸福」や「浄化」を意味するポジティブな側面もある
という共通点と違いがあって、とても興味深いですよね!
彼岸花を植えてはいけない理由は?

彼岸花を植えてはいけないとされる理由はいくつか存在します。
毒性があり誤食すると危険
彼岸花は全体にリコリンという毒成分を含んでいます。特に球根には強い毒があり、誤って口にすると嘔吐や下痢、場合によっては命にかかわることもあります。小さな子どもやペットがいる家庭では、誤食のリスクを防ぐためにも注意が必要です。
縁起が悪いイメージがある
彼岸花は「死」や「別れ」を連想させる花とされてきました。墓地や仏事に関連する場所でよく見かけるため、自宅の庭に植えると縁起が悪いと感じる人もいます。来客の印象を考慮する場合も、慎重に検討することが望ましいです。
繁殖力が強すぎて管理が大変
彼岸花は繁殖力が非常に強く、条件が合えばどんどん広がっていきます。そのため、他の植物の生育に影響を与えたり、庭のバランスを崩してしまうこともあります。きちんと手入れができないと、想像以上に手間がかかる植物になりかねません。
このように、彼岸花には美しさと独特の存在感がある反面、毒性や縁起、繁殖力などの面で注意すべきポイントが多くあります。植えるかどうかは、これらのリスクを理解したうえで慎重に判断することが大切です。
言い伝えや風習から学ぶ、彼岸花の役割

昔から日本では、彼岸花は「死人花(しびとばな)」「幽霊花」と呼ばれていました。
特に言い伝えられているのは、彼岸花を家に持ち帰ると、不吉な出来事が起こるという話です。
これは、彼岸花に毒性があることが影響しています。
そのため、
- お墓に植える=死者を守るため
- 家には持ち込まない=家族に災いが起こらないように
という風習が自然と広まったのです。
さらに、ある地域では
「彼岸花を摘んだ子どもが、夜な夜な亡者に呼びかけられた」
という民話も残っています。怖い話ですが、毒の危険を子どもたちに注意するための教訓でもあったのでしょう。
彼岸花とあの世を結ぶ道

一方で、昔話の中ではこんなエピソードもあります。
お彼岸の時期になると、川の土手にずらりと咲く彼岸花。これが「あの世とこの世をつなぐ道しるべ」だと考えられていました。
つまり、
- 彼岸花が咲く道をたどると、迷わずに極楽浄土に行ける
- 彼岸花が枯れる前に、死者の魂は旅立つ
といった考え方です。
このため、先祖を敬うお彼岸の時期に、彼岸花がぴったり重なったのだともいわれています。悲しいだけでなく、「魂を正しく導くための花」として大切にされていたんですね。
こうして見ると、彼岸花は「怖い存在」としてだけでなく、「守り」や「祈り」の象徴として日本人の心に根付いてきたことがよくわかります。
彼岸花にまつわる地域独特の風習
■ お墓に植える理由(全国各地)
日本各地で、彼岸花は「お墓の周り」に植えられてきました。その理由は、彼岸花の毒性がモグラや野ネズミを遠ざけるためです。つまり、お墓の土を掘り返されないように、自然のバリアとして使われていました。「怖い花」と呼ばれるのも、実はご先祖様を守るためだったんですね。
■ 田んぼのあぜ道に植える(関東・関西地方など)
田んぼのあぜ道にも、昔から彼岸花が植えられていました。これには大きく2つの理由があります。
- モグラが畦道を壊すのを防ぐため
- 水の流れを保ち、田んぼを守るため
つまり、農業の守り神のような役割を担っていたわけです。今でも稲刈りシーズンに、彼岸花が一斉に咲く景色はとても美しいですよね。
■ 彼岸花を仏花として供える(東北地方)
東北地方の一部では、彼岸花をお彼岸のお供え物として使う習慣がありました。ただし、最近では毒性のイメージから、他の花に替えられることも多くなっています。昔は「彼岸の時期に咲く、清らかな花」として、ご先祖様への感謝の気持ちを込めて供えられていたそうです。
■ 学校で「彼岸花に触るな」と教える(全国)
これは風習というより教育ですが、全国的に「彼岸花には触らないように」と小学校などで指導される地域もあります。理由はもちろん、球根や茎に毒があるからです。ただ、あまりにも「危ない危ない」と言われた結果、「彼岸花=不吉」というイメージだけが強く残った部分もあるかもしれません。
彼岸花は植えてはいけない訳ではない!植える際のコツ
彼岸花を植えてはいけないと言われる理由が分かった上で、ぜひ育ててみたい!という方向けに、植え方や育て方のポイントをご紹介していきます。
- 彼岸花の正しい植え方と注意点
- 彼岸花を植える場所で気を付けること
- 彼岸花の育て方。地植え・プランター栽培
- 彼岸花を植える時期はいつが最適か
- 彼岸花の葉っぱしか出ない場合の対処法
- 彼岸花の葉っぱは切るべき?
- 彼岸花を上手に育てるコツまとめ
- 彼岸花を育てるときに失敗しがちな注意点
彼岸花の正しい植え方と注意点
彼岸花をきれいに咲かせるには、植え方の基本をおさえておくことが大切です。ここではわかりやすく、手順ごとに解説します。
1. 植える場所を選ぶ
日当たりがよく、水はけのよい場所を選びましょう。半日陰でも育ちますが、花つきをよくしたいなら太陽の光がしっかり当たる場所がおすすめです。
2. 土を耕して整える

植え付ける前に、土をスコップなどでよく耕します。硬い土では根が伸びにくくなるため、ふかふかの状態にしておきましょう。
3. 手袋を着用して作業する

彼岸花の球根には毒が含まれているため、素手で触るのは避けましょう。手袋をして作業することで、肌荒れやかぶれを防げます。
4. 球根を適切な深さに植える
球根の上に5~10cmくらい土がかぶるように植えます。深すぎると芽が出にくく、浅すぎると乾燥しやすくなるので注意してください。
5. 球根の間隔をあける

球根同士は10~15cmほど間をあけて植えましょう。間隔が狭すぎると生育が悪くなったり、病気が広がるリスクが高まります。
6. 植えたあとの水やりに注意

植えた直後はたっぷり水をあげる必要はありません。球根が腐るのを防ぐため、やや乾燥気味に管理してください。
このように、植え方と注意点をしっかり押さえれば、美しい彼岸花を育てることができます。
彼岸花を植える場所で気を付けること

日当たりの良い場所を選ぶ
彼岸花は日光を好む植物です。日当たりが悪い場所では花つきが悪くなるため、できるだけ太陽の光がたっぷり当たる場所に植えることが大切です。午前中から日が差し込むような場所を選ぶと、元気に育ちやすくなります。
水はけのよい土壌を選ぶ
水分が土にたまりやすい場所は避けましょう。彼岸花の球根は過湿に弱く、根腐れを起こしやすいためです。少し高台になっている場所や、土を盛って排水性を高めた場所を選ぶと安心です。
周囲の植物と距離をとる
彼岸花の根には毒が含まれており、周囲の植物に悪影響を及ぼす場合があります。密集して植えたり、他の植物と隣接させたりするのは控え、少し距離を空けて植えるのが理想的です。
人が触れにくい場所を選ぶ
彼岸花は見た目に美しい一方で、誤って触れると危険な毒性を持っています。特に小さな子どもやペットがいる家庭では、人の通り道や遊び場の近くは避け、安全な場所に植えましょう。
彼岸花の育て方。地植え・プランター栽培

彼岸花の栽培には、地植えのほうが基本的には向いています。
理由は、彼岸花はもともと野生でも群生して育つ強い植物であり、広い場所で自然な環境に近い形で育てる方が、球根がしっかり育ちやすいからです。また、地植えなら水はけの良い土を選べるため、球根が腐りにくくなります。
一方、プランターでも育てることはできますが、以下のような注意点があります。

- プランターのサイズが小さいと、根詰まりを起こしやすい
- 土の乾きが早くなるため、地植えよりも水管理に気を使う必要がある
- 球根の間隔をあけて植えるスペースが限られる
このため、特別な理由(庭がない、移動させたい事情があるなど)がなければ、地植えで育てることをおすすめします!
地植えとプランター栽培のメリットデメリット
彼岸花は地植えでの栽培が向いていますが、プランターの方が移動しやすかったりとメリットもあります。二つの方法を比較して、ご家庭で育てやすい方法はどちらなのか選んでみてください。
地植え | プランター | |||
メリット | 自然な環境に近く、理想的な育成ができる | 場所を選ばずに育てられる | ||
デメリット | 場所を動かせないため構成計画が必要 | 温度や陰も調節しやすい | ||
水分管理 | 自然降水に依存できる場所も多い | 常に水分チェックが必要 | ||
植え付けの広さ | 大きな群生を作りやすい | プランターの限られたスペースでは、球根同士が近づきすぎるため、理想の間隔(10〜15㎝程度)を保つのが難しい | ||
移動性 | 一度植えたら移動しにくい | 好きな場所に移動しやすい | ||
理想的な場所 | 水はけがよく、日当たりがある場所 | 柔軟な土質と温度管理がしやすい場所 |
それぞれの育て方のポイント
地植えで育てる際のポイントをご紹介します。
- 日当たりと水はけのよい場所を選ぶ
- 土を軽く耕してふかふかに整える
- 球根の上に5~10cmほど土をかぶせる
- 乾燥する時期のみ軽く水やりをする
- 基本的に肥料は不要だが、球根の肥大や増殖が悪くなるため、緩効性の化成肥料を土に混ぜても良い
プランターで育てる際のポイントはこちら
- 十分な幅と深さがあるプランターを選ぶ
- 球根同士の間隔を5~10cmほど空けて植える
- 市販の培養土に川砂を混ぜて水はけをよくする
- 球根の上に3〜5cmほど土をかぶせる(根の伸長を妨げないように出来るだけ上の方に埋める)
- 水やりは土が乾いてから、控えめに行う
- 底穴のあるプランターを使用し、受け皿に水をためない
彼岸花を植える時期はいつが最適か
彼岸花を植えるのに最適な時期は、葉のなくなる頃、具体的には6月から8月です。その時期に植えておけば、秋には花が見られるかもしれません。
お店では夏頃に球根が販売されますので、購入したら早めに植えるようにしましょう。リコリス類は葉がない時期でも休眠せずに生きているため、乾燥しないように早めに植えることが大事です。
- 11月以降
寒さで根付きが悪くなり、翌年の開花に悪影響を及ぼすことがあります。
また、植え付け後すぐにたっぷは根の張りが良くないため、適度に水を与えて乾燥しすぎないように管理することも大切です。
こうして適切な時期に植えることで、彼岸花は健康に育ち、美しい花を咲かせてくれます。
植え付け後 5つの管理ポイント
- 水やりは控えめにする
植えた直後はたっぷりと水を与えますが、その後は土の表面が乾いてから軽く水を与える程度に抑えます。彼岸花の球根は湿気に弱いため、過度な水やりは球根を腐らせる原因になります。 - 肥料は基本的に不要
基本的に彼岸花は痩せた土地でも育つため、肥料はほとんど必要ありませんが、球根を増殖させたい場合には緩効性肥料を与えましょう。 - 雑草を取り除く
周囲に雑草が生い茂ると、彼岸花の発育を妨げる原因になります。特に植え付け後の根付く時期は、こまめに雑草を取り除き、風通しをよく保つことが大切です。 - 球根が露出しないよう注意
土が流されて球根が地表に出てしまうことがあります。このときは、すぐに軽く土をかぶせ直してあげましょう。露出したままだと乾燥や寒さの影響を受けやすくなります。 - 自然な成長を見守る
彼岸花は、無理に手を加えすぎず自然に任せることで最もよく育ちます。過度に掘り返したり、手を加えたりすることは控えましょう。
このように、シンプルですが、適切な管理を続けることが、彼岸花を元気に育てるコツになります!
彼岸花の葉っぱしか出ない場合の対処法
彼岸花を育てていると、花が咲かずに葉っぱだけが伸びることがあります。これは特に珍しい現象ではなく、適切に対処すれば翌年には花を咲かせることができます。
まず知っておきたいのは、彼岸花は「葉が出る時期」と「花が咲く時期」がはっきり分かれている植物だということです。一般的には秋に花が咲き、その後、冬から春にかけて葉が茂ります。したがって、葉だけが出ること自体は彼岸花の正常なサイクルの一部ともいえます。
ただし、花がまったく咲かないまま葉だけが茂る場合、いくつかの原因が考えられます。
- 栄養不足
土壌に十分な栄養がないと、球根が花を咲かせるエネルギーを蓄えられず、葉だけを伸ばす傾向があります。このようなときは、翌年のために緩効性肥料を控えめに施し、土壌改良を行うとよいでしょう。 - 球根が小さい・未成熟
掘り上げてみるとわかりますが、小さな球根は花を咲かせる力が弱いです。この場合、焦らずに育て続け、栄養を与えて球根をしっかり太らせることが大切です。また、球根を購入する場合には大きいものを選ぶと花が咲く可能性が高くなります。 - 植え付けが浅すぎる・深すぎる
球根の植え付け深さが適切でないと、発芽や開花に悪影響を及ぼします。浅すぎる場合は球根が乾燥しやすくなり、深すぎると発芽エネルギーを消耗してしまいます。 - 掘り上げ時期が不適切だった
球根の掘り上げを葉が青々としている時期に行ってしまうと、十分な栄養を蓄えきれず、次の年に花が咲かなくなることがあります。掘り上げるのは、葉が完全に枯れた後の初夏が理想的です。
このように、葉っぱしか出ない原因を突き止めて適切にケアすれば、次のシーズンにはきれいな花を咲かせることができます。焦らずに、球根の成長を温かく見守ってあげましょう。
彼岸花の葉っぱは切るべき?
彼岸花の葉っぱを切るべきか悩む方は多いですが、基本的には切らずに自然に枯れるのを待つのが正しい育て方です。
彼岸花は、花が咲いた後に葉を伸ばし、冬から春にかけて光合成を行います。この葉っぱが球根に栄養を蓄える重要な役割を担っているため、葉を途中で切ってしまうと、球根が十分に栄養を蓄えられず、翌年に花を咲かせる力が弱まってしまうのです。
例えば、葉を青々としているうちに刈り取ってしまうと、次の年に花芽を形成できず、葉だけが出て花が咲かないという事態になりかねません。特に新しく植え付けた球根の場合は、栄養を十分に吸収する期間がとても重要になります。
一方で、葉が完全に黄色くなり、自然に枯れてきた場合は、そのタイミングで取り除いても問題ありません。このときも、無理に引き抜かず、優しく取り除くようにしましょう。
このように、彼岸花の葉っぱは栄養の源であると理解して、自然な流れに任せることが、翌年も美しい花を咲かせるための大切なポイントになります。
彼岸花の球根を掘り上げる正しい方法
「掘り上げ」とは、地中にある植物の球根や根っこを、スコップなどで土から取り出す作業のことを指します。このとき、ただ無造作に掘るのではなく、球根を傷つけないように、周りの土をふわっと掘り返しながら慎重に行うのがポイントです。
掘り上げをする理由は?
株の混み合いを防ぐため
彼岸花は年々球根が増えていきます。放置しておくと球根同士がぎゅうぎゅうに詰まり、栄養の取り合いが起きてしまうのです。その結果、花が咲きにくくなったり、小さい球根ばかりになったりするため、定期的に掘り上げて間引く必要があります。
球根を健康に保つため
掘り上げずに長年同じ場所に植えっぱなしにすると、土の中の病気や害虫にやられやすくなります。掘り上げて風通しのよい場所で乾燥・保存することで、球根を健康な状態でキープできるのです。
植え替えや増殖のため
掘り上げた球根を使えば、別の場所に植え替えたり、新しい花壇を作ったりできます。これによって、より理想的な環境で育て直したり、たくさんの彼岸花を楽しんだりできるようになります。
掘り上げるベストな時期
彼岸花の球根を掘り上げるのに最適な時期は、「葉が枯れた後の初夏(5月~6月頃)」です。
この時期になると球根にしっかり栄養が蓄えられており、ダメージを与えずに掘り上げやすくなります。葉が青々としている間に掘り上げてしまうと、球根がまだ栄養を蓄えきっていないため、翌年の開花に影響してしまいます。
- 事前に軽く水やりをしておく
土を少し湿らせておくと、球根が抜きやすくなり、傷を付けずに取り出しやすくなります。 - 球根の周りをスコップで優しく掘る
いきなり球根の真下にスコップを入れると傷めてしまうので、周囲10~15㎝離れた場所から掘り進めるのがコツです。 - 掘り上げた球根は優しく土を落とす
ゴシゴシこすらず、手で軽く土を払う程度にしましょう。無理に洗うと表皮が傷つきやすくなります。 - すぐに直射日光に当てない
掘り上げた球根は直射日光にさらすと乾燥してしまうため、掘り上げたらすぐに植え替えるようにしましょう。
掘り上げたあとの植え替えポイント
① 球根の状態をよく確認する
掘り上げた球根は、カビが生えていたり、傷んで柔らかくなっているものがあるかもしれません。傷んだ球根は取り除き、健康なものだけを選びましょう。
② 新しい植え付け場所を整える
植える土はふかふかに耕し、水はけをよくしておきます。彼岸花はジメジメした場所を嫌うので、排水性の良い場所がベストです。
③ 植え付け間隔を空ける
球根同士は10~15cmほど間をあけて植えます。間隔が狭いと、成長に必要な栄養やスペースを奪い合ってしまいます。
④ 球根の向きと深さに注意
球根はとがった方を上にして植えましょう。また、球根の上に5〜10cmほど土がかかるくらいの深さが理想的です。
この流れを覚えておけば、彼岸花の球根を傷めることなく、翌年もきれいな花を咲かせられますよ!
彼岸花を上手に育てるコツまとめ
ここでは、彼岸花を元気に育てるために押さえておきたいポイントをまとめました。初めて育てる方でも実践しやすい内容になっています。
① 植える場所選びは慎重に
彼岸花は日当たりが良く、水はけの良い場所を好みます。ジメジメした場所だと球根が腐りやすいため、事前に土の状態を確認しておきましょう。
② 適切な植え付け時期を守る
植えるタイミングは6月から8月が適しています。この時期を逃すと、うまく根付かないことがあるので注意が必要です。
③ 球根の扱いに注意する
彼岸花の球根には毒があるため、必ず手袋を着用して作業しましょう。また、球根同士の間隔は10~15cmあけると、健康に育ちやすくなります。
④ 過剰な水やりは控える
植え付け後、基本的に水やりは控えめで大丈夫です。自然の雨に任せるくらいがちょうどよく、過湿になると球根が腐るリスクが高まります。
⑤ 葉が出てもすぐに切らない
彼岸花は開花後に葉を伸ばします。この葉は次の年のために栄養を蓄える役割があるため、葉が自然に枯れるまで切らずに育てることが大切です。
⑥ 数年に一度は掘り上げる
数年育てると、球根が密集して生育不良になることがあります。3〜4年に一度を目安に掘り上げ、植え替えを行うと、花付きが良くなります。
このように、ちょっとしたコツを押さえるだけで、彼岸花は毎年美しく咲いてくれます。
彼岸花を育てるときに失敗しがちな注意点
彼岸花は比較的育てやすい花ですが、ちょっとしたミスで花が咲かなくなることもあります。ここでは、特に注意しておきたいポイントを紹介します。
① 球根の植え付けが浅すぎる・深すぎる
球根は上に5~10cm程度の土をかぶせるのが適切です。浅すぎると乾燥や温度変化の影響を受けやすく、深すぎると発芽しにくくなります。
② 水やりのしすぎ
彼岸花はもともと乾燥気味な環境を好む植物です。植えた直後から過剰に水を与えると、球根が腐る原因になるので注意しましょう。
③ 植えたばかりで動かしてしまう
植えたばかりの球根は非常にデリケートです。根付くまで絶対に動かさないようにしてください。移動すると発根がうまくいかず、花が咲かないことがあります。
④ 葉を早く切りすぎる
花が咲いたあとに伸びる葉は、球根に栄養を蓄えるために必要です。葉が青いうちに切ると、翌年花を咲かせる力が不足してしまいます。
⑤ 密集させすぎる
球根をあまりに密集して植えると、栄養や水分の取り合いになってしまい、花付きが悪くなります。10~15cmの間隔をあけることを心がけましょう。
このあたりを意識して育てれば、きっと立派な彼岸花が咲きますよ!
彼岸花 植えてはいけない理由と正しい育て方まとめ
- 彼岸花は秋に赤い花を咲かせる多年草である
- 花言葉には「悲しき思い出」「あきらめ」などがある
- 鮮やかな赤色が邪気を払うとされ風水では縁起がよい
- 曼珠沙華など彼岸花には多くの別名が存在する
- 海外でも死や再生を象徴する花として扱われている
- 毒性があり小さな子どもやペットには特に危険である
- 死や別れを連想させ縁起が悪いと感じる人もいる
- 繁殖力が強く庭のバランスを崩す恐れがある
- 昔から墓地や田んぼを守るために植えられてきた
- 植える場所は日当たりと水はけの良い場所が適している
- 地植えでは自然な環境に近く育てやすい
- プランターでは球根間隔の確保が難しく管理が必要である
- 植え付け時期は9月中旬から10月上旬が適している
- 葉っぱは自然に枯れるまで切らずに栄養を蓄えさせる
- 数年に一度掘り上げて球根を整理することで花付きが良くなる