足がいっぱい!ムカデみたいな小さい虫を見分ける方法

害虫(がいちゅう)
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「ムカデみたいな小さい虫」が家の中に現れると驚くかもしれませんが、実はムカデではない場合も多くあります。

小さいムカデのような虫は、ヤスデゲジゲジシミトビムシなどがよく見られ、足がいっぱいある小さいという特徴から間違えやすいのです。

この記事では、白いムカデみたいな虫ムカデの幼虫の見た目、ムカデとヤスデの違いムカデが出る時期寿命などをわかりやすく解説し、適切な対処法や益虫としての一面についても紹介します。

この記事で分かること
  • ムカデに似た小さい虫の種類と特徴がわかる
  • ヤスデやゲジゲジとの違いが理解できる
  • 家の中に虫が出る原因や対策がわかる
  • ムカデの生態や益虫としての役割を知ることができる

ムカデみたいな小さい虫の正体と特徴

  • 足がいっぱいある虫。小さいのは何虫?
  • ヤスデとムカデの違い
  • ゲジゲジの特徴
  • 白いムカデみたいな虫の正体はトビムシ?ヤマトシミ?
  • ムカデの幼虫はどんな見た目?
  • 小さいムカデのような虫が家の中に出る原因

足がいっぱいある虫。小さいのは何虫?

小さくて足がたくさんある虫として代表的なのは、ヤスデ、ゲジゲジ、トビムシ、シミ(ヤマトシミ)などが挙げられます。これらは見た目がムカデに似ていることから、間違えやすい虫でもあります。

まず、ヤスデは体が丸く、節が多いために「毛のような足」が何本も生えているように見えます。動きは比較的遅く、人を咬むこともなく、毒もありません。大量に発生すると不快に感じることが多いですが、基本的には土壌を分解する益虫です。

次にゲジゲジは細長い体と非常に長い足を持ち、動きがとても素早いのが特徴です。見た目が独特なため驚かれることが多いですが、ゴキブリやダニなどを捕食する益虫として知られています。家の中でも見かけることがありますが、基本的に人間には害はありません。

トビムシは2~3mm程度の非常に小さな虫で、地面や観葉植物の土などでよく見られます。ジャンプするように動くのが特徴で、名前の通り飛び跳ねるように移動します。見た目に足がたくさんあるように見えることから、小さなムカデのようだと勘違いされやすいです。

また、シミ(ヤマトシミ)は銀色の体をしており、本や和紙、衣類などを食べてしまう害虫です。夜行性で暗くて湿度の高い場所を好み、押し入れや本棚の中などで見かけることがあります。体が細長く、素早く動くため、こちらもムカデの仲間と誤解されやすいです。

このように、小さくて足が多い虫にはさまざまな種類が存在します。それぞれの虫が持つ特徴や習性を知ることで、見分けがつきやすくなり、適切な対策を講じることも可能になります。

ヤスデとムカデの違いをわかりやすく解説

ヤスデとムカデはどちらも「多足類」に分類され、見た目が似ているためよく混同されますが、実際は性質も生態も大きく異なる虫です。ここでは、その主な違いを分かりやすく紹介します。

ムカデ
ヤスデ
ムカデヤスデ
体の形平たく細長い丸くて円筒形
足の数節に1対(足の数は20〜40本程度)節に2対(合計100本以上になることも)
動き非常に素早いゆっくり
性格攻撃的・咬みつくことがある温厚・攻撃しない
毒の有無有毒で人を咬むと痛みや腫れが出るムカデのように咬んで毒を注入することはないが、体液に毒液が含まれている場合もある
生息場所
石の下、壁の隙間、屋内にも侵入することがある
土の中、落ち葉の下など
食性小さな昆虫を捕食する(肉食)腐植質を食べる(植物の分解者)
人への害咬傷被害があり危険直接的な害はないが大量発生で不快
主な活動時期5~6月、9~10月に特に活発春~秋、特に梅雨や雨の多い季節に活発
益虫 or 害虫害虫を食べる一面もあるが、咬むため害虫扱いも土壌改良をする益虫

このように、ヤスデとムカデは見た目こそ似ていても、動き、性格、生態、被害の有無において明確に違いがあります。観察ポイントを押さえて見分ければ、適切な対処がしやすくなるでしょう。

ゲジゲジの特徴

ゲジゲジは見た目のインパクトが強く、初めて見た人を驚かせることが多い虫ですが、実は人間にとっては害虫ではなく「益虫」とされる存在です。名前の由来にもなっている「ゲジゲジした」動きと独特の姿が特徴的です。

まず外見についてですが、ゲジゲジは体長2〜3cmほどのものから、種類によっては8cm近くまで成長する大型種(オオゲジ)も存在します。体は細長く、褐色の体に黄色や黒の縞模様が入った足が目立ちます。左右に15本ずつ、合計30本もの足があり、それが大きく広がっているため、実際の体よりもはるかに大きく見えることがあります。

行動の特徴としては、非常に素早く移動する点が挙げられます。特に夜間になると活発になり、暗くて湿気のある場所を好んで動き回ります。昼間は壁の裏や家具の隙間などに潜んでおり、人の気配がないときに出てきて獲物を探します。

食性は肉食性で、主にゴキブリ、クモ、ダニ、小さな虫などを捕食します。そのため、害虫の数を自然に減らしてくれる存在であり、室内に出没する不快な虫を減らす効果が期待できます。毒を持っていますが、ごく微量で人間には基本的に害はありません。触ろうとしたり、強く刺激しない限り咬まれることもありません。

寿命は意外と長く、5〜6年ほど生きる個体もいます。成長の過程で10回以上脱皮を繰り返すことも、ゲジゲジの特徴の一つです。

見た目こそ不快に感じられがちですが、ゲジゲジは室内の害虫対策としては頼もしい存在ともいえます。無闇に駆除するのではなく、その役割を知った上で、必要に応じて対応するのが望ましいでしょう。

白いムカデみたいな虫の正体はトビムシ?ヤマトシミ?

トビムシ
ヤマトシミ

白くてムカデのような見た目をした虫は、たいていトビムシヤマトシミであることが多いです。どちらもムカデのように細長く、足が多く見える特徴があるため、間違われることがあります。

まずトビムシは体長が1〜3mmほどの極小サイズで、土壌の表面や湿った場所に多く生息しています。色は白から灰色、場合によっては透明っぽい個体もいます。跳躍器という器官でピョンと跳ねる動きをするため、「飛んだ!」と驚かれることが多いです。ムカデとは違い毒性はなく、植物の腐葉土や菌類などを食べる、どちらかといえば益虫です。

次に挙げられるのがヤマトシミです。これは銀白色でウロコのような見た目をしており、本や和紙などを食害する害虫です。夜行性で素早く動くため、不意に現れるとムカデの幼虫のように見えることがあります。ただし、毒はなく人間に直接害を与えることはありません。

トビムシヤマトシミ
見た目小さくて丸っこい体、色は白・茶・灰など銀色で魚のようにくねる細長い体
体長約0.3~7mm(多くは2~3mm)約8~10mm
足の数6本(昆虫類)6本(昆虫類)
動き方跳ねるように移動する素早くスルスルと動く
習性湿気・暗所を好む、跳躍器で飛び跳ねる湿気・暗所を好む、夜行性
エサ菌類、腐植、有機物紙、衣類、本、パンくずなど
生息場所鉢植えの土、台所、浴室、湿気の多い場所押し入れ、本棚、タンス、トイレなど
人への害ほぼなし(見た目による不快感)噛まないが、紙や衣類への食害がある
駆除の必要性大量発生時に対処被害がある場合は早めの駆除が必要
益虫としての面土壌を豊かにする(自然環境下)特になし

このように、どちらも湿気を好む小型の虫ですが、生態や被害内容には大きな違いがあります。環境に応じて適切に対策をとりましょう。

一方、まれにムカデの幼虫自体が白っぽいこともあります。特に孵化直後や脱皮した直後のムカデは、体表がまだ硬化しておらず、白や乳白色をしていることがあります。ただし、これは一時的なもので、時間が経つにつれて茶色や黒に変わっていきます。

これらの虫はいずれも湿気を好むため、家の中で見かけた場合は、通気性の悪い場所や水回りの環境を見直すことが有効です。見た目のインパクトから「ムカデが出た!」と驚いてしまうかもしれませんが、実際は全く別の種類であることもあるため、落ち着いて観察することが大切です。

ムカデの幼虫はどんな見た目?

ムカデの幼虫は、一見すると成虫とよく似ていますが、体が小さく色もやや白っぽい、または半透明な外見をしています。

引用:街中のほんの小さな自然 Only Small Nature In My Town

幼虫といっても、いわゆるイモムシのような「柔らかく丸い姿」ではありません。ムカデの幼虫は孵化した直後から脚を持ち、細長い体で活発に動く姿が特徴的です。そのため、初めて見る人の中には「小さいムカデが出た」と感じる方も多いでしょう。

体長は種類によって異なりますが、多くの場合は1cm前後とかなり小さいです。脚の数も成虫より少ないことがあり、成長とともに脱皮を繰り返して脚の数が増えていきます。脱皮ごとに体色も濃くなり、徐々にムカデらしい姿へと変化します。

特に注意すべき点として、幼虫であっても毒を持っている可能性があるということです。種類によっては、体が小さくても刺されると赤く腫れたり、痛みを感じることがあります。油断せず、見つけた際はティッシュなどで捕まえて処分するか、殺虫スプレーを使うのが安全です。

このように、ムカデの幼虫は成虫に似たフォルムである一方、小さく色が薄い点が特徴的です。見分けがつかない場合もあるため、動きの素早い細長い虫を見かけたら、まずはムカデの可能性も考慮することが大切です。

小さいムカデのような虫が家の中に出る原因

小さいムカデのような虫が家の中に現れるのは、湿気やすき間、エサになる虫の存在など、住環境が原因となるケースが多いです

まず、こうした虫たちは湿度の高い場所を好む習性があります。特に梅雨や秋の長雨シーズンには、床下・浴室・キッチン・押し入れなどの湿度が高くなりやすい場所に集まりがちです。放っておくと、そこが棲みつき場所になってしまいます。

また、家の構造にあるわずかな隙間も侵入経路となります

玄関ドアの下部、窓のサッシの隙間、換気扇の周辺、通気口など、密閉されていない部分があると、そこから室内に入り込んできます。特に古い住宅ではこうした隙間が多く、対策をしていないと虫の出現が繰り返されます。

さらに重要なのが、家の中にエサとなる虫がいる場合です。ムカデやゲジゲジなどの肉食性の虫は、ゴキブリやクモ、ダニといった小さな昆虫を捕食するため、それらを追って侵入してくることがあります。つまり、目に見えない小さな虫が家にいることで、さらに上位の捕食者を呼び込んでしまうというわけです。

このように、小さいムカデのような虫が家の中に出る背景には、湿気・侵入口・エサの存在という3つの要因が絡み合っています。発生を防ぐには、定期的な換気や除湿、隙間の封鎖、害虫の駆除など、複数の対策を同時に行うことが効果的です。

ムカデみたいな小さい虫。ムカデだった場合の正しい対処法

  • ムカデの出る時期と活動ピーク時期
  • ムカデの寿命はどれくらい?生態を解説
  • ムカデの益虫としての意外な役割

ムカデのような小さい虫が実際にムカデだった場合、速やかに安全に駆除することが重要です。ムカデは見た目が不快なだけでなく、種類によっては毒を持っており、噛まれると強い痛みや腫れを引き起こすことがあります。

ムカデに咬まれた跡

まず、素手で触らないことが鉄則です。たとえ小さな個体であっても、防御反応として噛んでくる場合があります。ムカデの駆除には、市販の殺虫スプレーを使用するのが最も一般的です。特に「ムカデ専用」と記載された製品であれば、ムカデの硬い体にも浸透しやすい成分が配合されているため効果的です。

また、殺虫剤のにおいや成分が気になる場合は、-80℃前後の冷却スプレーを使って凍らせる方法もあります。このタイプであれば殺虫成分を使わずに駆除できるので、小さなお子様やペットのいる家庭でも比較的安心です。

駆除後は、ティッシュや割り箸などでつまんで処理し、すぐに密閉してゴミとして捨てましょう。その際、死骸に他の害虫が集まってくることを防ぐため、放置せず速やかに処理することが望ましいです。

また、1匹見つけた場合は、他にも隠れている可能性があると考えてください。侵入経路を確認し、隙間があれば隙間テープや防虫パテで封じ、定期的に家の周囲へ忌避剤を散布するなどの対策が必要です。

このように、ムカデだった場合は適切な道具を使い、焦らず確実に駆除・処理し、再侵入を防ぐ環境整備も合わせて行うことが大切です。

ムカデの出る時期と活動ピーク時期

ムカデが最も活発に現れるのは、5月〜6月と9月〜10月の年に2回です。これらの時期は、気温と湿度の条件が揃いやすく、ムカデの行動が活発になります。

春から初夏にかけての時期は、冬眠から目覚めたムカデが活動を再開するタイミングです。気温が上がり始める5月ごろから、エサを探して家の中にも出没しやすくなります。一方で、9月から10月にかけては、ムカデの繁殖がひと段落し、次の越冬準備のためにエサを多く求めて動き回るため、再び出現が増えます。

このような活動期には、ムカデは夜行性のため夜間に出やすく、湿気の多い浴室、押し入れ、床下、窓の隙間などに潜んでいることがあります。また、日中に布団や靴の中などで発見されることもあり、不意の接触で咬まれるケースもあるため注意が必要です。

ムカデの出現を減らすためには、シーズン前の予防が鍵となります。4月中や8月下旬ごろに家の外周へ忌避剤を散布したり、落ち葉や雑草を除去しておくと、ムカデが近寄りにくくなります。また、家の中に隙間がある場合は隙間テープで封じるなどの対策も有効です。

このように、ムカデの出る時期とピークはある程度予測できます。前もって環境を整えることで、遭遇するリスクを大幅に減らすことが可能です。

ムカデの寿命はどれくらい?生態を解説

ムカデの寿命はおよそ3〜7年ほどとされています。昆虫の中では比較的長寿な部類に入り、生涯を通じて何度も脱皮を繰り返しながら成長します。

ムカデの生態を知ると、なぜ長生きするのかが見えてきます。まず、ムカデは完全変態(卵→幼虫→さなぎ→成虫)ではなく、不完全変態という形で成長します。つまり、幼虫の姿がすでにムカデの形に近く、脱皮するごとに少しずつ足の数を増やして成虫になります。成虫になるまでには5回以上の脱皮を経て1〜2年をかけて成熟するのが一般的です。

また、ムカデは肉食性であり、ゴキブリやクモ、シロアリなどの小型の害虫を捕食します。エサが豊富にある環境では活発に動き、夜行性で主に夜間に行動するため、日中は人目につきにくく、見つけるのが難しい場合も多いです。

越冬も可能で、冬になると動きが鈍くなり、土の中や屋内の暖かくて湿った場所でじっと過ごします。このように外的要因に適応しやすい性質が、ムカデの長い寿命を支えています。

ただし、環境が過酷だったり天敵(鳥や大型のクモなど)に捕食されたりすると寿命を全うできないこともあります。人間の生活圏においては、湿気対策や隙間の封鎖などが侵入防止につながるため、ムカデの長寿を防ぐ上でも有効です。

このように、ムカデは非常にしぶとく生命力の強い虫であるため、一度住み着くと長く居座る可能性があることを念頭に置き、早めの対策が求められます。

ムカデの益虫としての意外な役割

ムカデは見た目の不快さや毒性から害虫として扱われがちですが、実は自然界では「益虫」としての側面も持っています。特に、家屋内や庭に出没する他の害虫を捕食する役割が注目されています。

シロアリ駆除は必要ない?自分でできる対策と注意点

まず、ムカデは肉食性の昆虫であり、ゴキブリやクモ、シロアリ、ダンゴムシなどの小動物を積極的に捕らえて食べます。これらの虫は人間の生活に悪影響を及ぼすことも多く、ムカデがそれらを退治してくれることで、結果的に害虫の自然な数の抑制に一役買っているのです。

さらに、ムカデは単独で行動する性質があるため、集団で繁殖して大量に発生するような被害は起きにくいという特徴があります。そのため、屋外で自然にムカデが生息している場合、むやみに駆除せずとも周囲の害虫バランスを整える働きをしてくれることもあります。

ただし、ムカデは毒を持っており人間を噛む危険性があるため、家の中に侵入してきた場合は駆除が必要です。益虫だからといってそのまま放置するのは安全とは言えません。人の手が届かない場所で活動している限りでは自然のバランス維持に貢献しますが、人間の生活空間と重なる場合には注意が必要です。

このように、ムカデには害虫駆除のパートナーとしての役割もあり、一概に「悪者」と決めつけるのではなく、状況に応じて適切に対処することが重要です。自然環境の中でムカデが果たす役割を知ることで、対策の仕方や距離感の取り方も変わってくるでしょう。

ムカデみたいな小さい虫の正体と対処法まとめ

  • ムカデに似た小さい虫はヤスデ、ゲジゲジ、トビムシ、ヤマトシミなどが代表的
  • ヤスデは丸みのある体と多数の足を持つが毒性はない
  • ゲジゲジは非常に素早く動きゴキブリなどを捕食する益虫
  • トビムシは数ミリの小さな虫で土壌や鉢植えなどに多く生息
  • ヤマトシミは紙や布を食害する害虫で銀白色の体が特徴
  • 白いムカデのような虫の正体は多くの場合トビムシかヤマトシミ
  • ムカデの幼虫は体が細長く色が白っぽいが成虫と同じ形状
  • ムカデは毒を持つため家の中で見つけたら注意が必要
  • ムカデは5〜6月と9〜10月に活動が活発になる
  • ムカデの寿命は3〜7年と長く脱皮を繰り返して成長する
  • ムカデはゴキブリやクモを食べる益虫的な側面を持つ
  • 湿気や家の隙間が小さい虫の侵入を招く要因になる
  • 見た目が似ているがヤスデとムカデでは動きや性質が異なる
  • ムカデの駆除には専用の殺虫剤や冷却スプレーが効果的
  • 室内の通気と除湿、侵入経路の封鎖が発生予防に有効