てんとう虫みたいな黒い虫「ハムシ」は害虫?見分け方と対策
庭木や生垣の葉裏で、てんとう虫みたいな黒い虫を見つけると、益虫なのか害虫なのか判断に迷いがちです。
とくにハムシの仲間には、てんとう虫そっくりの見た目で葉を傷める種類がいて、放置すると葉が枯れたように見えるほど被害が広がることがあります。
この記事では、てんとう虫にみたいな黒い虫ハムシの正体をつかむために、ハムシ一覧、ハムシ幼虫の特徴、ハムシ駆除の進め方、ハムシ殺虫剤の使いどころ、ハムシテントウムシとの見分け方、そしてハムシ予防のポイントまでを、分かりやすく整理します。
見つけた虫の行動や、付いていた植物を手がかりに、納得できる対策につなげてください。
- てんとう虫に似た黒い虫ハムシの特徴が分かる
- ハムシテントウムシとの見分け方が整理できる
- ハムシ幼虫の被害と見つけ方が分かる
- ハムシ駆除とハムシ予防の流れがつかめる
てんとう虫にみたいな黒い虫の正体を知る
- てんとう虫に似た黒い虫ハムシとは
- ハムシとテントウムシとの見分け方
- ハムシ一覧で主な種類を整理
- ハムシ幼虫の特徴と見つけ方
- ハムシ予防で発生を抑える
てんとう虫に似た黒い虫ハムシとは

庭木や生垣の葉裏で見つかる、てんとう虫に似た黒い虫の正体として代表的なのがノミハムシの仲間です。
中でもヘリグロテントウノミハムシは、光沢のある黒色の体に赤い紋が一対あるため、遠目には小型のてんとう虫に見えやすい種類として知られています。体長はおよそ3.2〜4mmほどで、見つけても小さくて気づきにくいのが特徴です。
まず押さえるポイント
- 見た目がてんとう虫に似ていて紛らわしい
- 小型で葉裏に潜むため発見が遅れやすい
- 刺激を受けると跳ねて逃げる行動がある
この虫がやっかいなのは、見た目が似ているだけでなく、植物に被害を出す点です。
ヒイラギモクセイ、ヒイラギ、ネズミモチ、キンモクセイなど、モクセイ科の樹木を中心に被害が見られ、葉がかすれたように傷んだり、見た目が悪くなったりします。
成虫は葉の裏側に張り付くように止まることが多く、表から見ているだけでは見落としやすいのも特徴です。
また、ノミハムシの名の通り後脚が太く発達しており、触れた瞬間にジャンプして逃げます。捕まえて確認しようとしても取り逃がしやすいため、まずは「どの植物の、どのあたりにいたか」を把握しておくことが、後の対策に役立ちます。
ハムシとテントウムシとの見分け方
てんとう虫に似た黒い虫を見つけたとき、見分けの精度を上げるには、模様だけで判断しないことが大切です。次の3つの視点を組み合わせると、判断しやすくなります。
- 触角の見え方
- 逃げるときの動き
- 付いている植物の種類
触角が長めなら要注意
てんとう虫は、丸い体に対して触角が短く、正面から見ないと目立たない種類が多いです。一方、てんとう虫に似るノミハムシ類は、触角が比較的長く、頭の前方に突き出ているのが分かりやすい傾向があります。
葉の上で止まっている状態を落ち着いて観察できるなら、触角の長さと存在感をチェックしてみてください。
逃げ方が跳ぶかどうか
行動の違いは、最も分かりやすい見分けポイントです。
- ノミハムシ類:刺激を受けるとジャンプして逃げる
- てんとう虫:飛ぶことはあるが、跳ねて消えるような動きは少ない
葉裏にいた虫に触れた瞬間、ピョンと跳ねて見失ったなら、ノミハムシ系の可能性が高いと考えられます。
いる植物が判断材料になる
てんとう虫は、アブラムシなどの餌がいる場所に集まりやすく、野菜、草花、樹木など幅広い場所で見られます。
一方、ヘリグロテントウノミハムシは、ヒイラギモクセイやキンモクセイなど、モクセイ科の樹木で見つかることが多いとされています。
生垣のモクセイ科植物で、
- 葉が傷んでいる
- 葉裏に小さな黒い虫がいる
- 触ると跳ねる
この3点がそろう場合、ハムシを疑う根拠はかなり強くなります。
ハムシのてんとう虫に似た主な種類
てんとう虫に似た黒い虫がハムシだった場合でも、候補は1種類とは限りません。テントウノミハムシ属には国内だけでも複数の種類が知られており、見た目が似ていても、次の点に違いがあります。
- 生息する地域
- 好む植物の種類
- 体色や模様の出方
とくに実用的なのは、「どの植物に付いていたか」という情報です。形の細かな違いは専門的になりやすいため、一般の管理ではまず食草で絞り込む方が現実的です。
検索状況や実際の相談例から見ると、最も遭遇しやすいのは、
- 生垣や庭木のモクセイ科
- ヒイラギモクセイやキンモクセイに付く
- ヘリグロテントウノミハムシ型
このパターンです。
見つけたときは、
- どの植物に付いていたか
- どの位置(葉裏・内側・外側)か
- どの範囲に広がっているか
をメモしておくと、対策の優先順位を決めやすくなります。
てんとう虫に似た黒い虫として見かける主なハムシ一覧
ヘリグロテントウノミハムシ

見た目の特徴
- 体長:約3〜4mm
- 黒くて強い光沢がある
- 上翅に赤い紋が1対ある
- 小型のてんとう虫に非常によく似ている
行動の特徴
- 触るとピョンと跳ねて逃げる
- 葉の裏側に張り付くことが多い
- ノミハムシ類特有のジャンプ能力を持つ
被害の特徴
- 成虫と幼虫の両方が葉を食害
- 幼虫は葉の内部に潜って食べるため、葉が白っぽくかすれる
- 生垣全体が枯れたような見た目になることもある
よく被害に遭う植物
- ヒイラギモクセイ
- ヒイラギ
- ネズミモチ
- キンモクセイ
→ モクセイ科の生垣で最も問題になりやすい代表種
ヒメテントウノミハムシ
引用:ヒメテントウノミハムシ
見た目の特徴
- 体は小型(2㎜程度)で黒っぽい
- 模様は個体差がある
- 一見すると小さな黒い甲虫に見える
行動の特徴
- ノミハムシ類なのでジャンプする
- 林縁や公園樹でも見られることがある
被害の特徴
- 特定の樹木の葉を食害
- 大発生は少ないが、局所的に増えることがある
ノミハムシではない他のハムシ
※上記のノミハムシとは跳ねない、付く植物が全く違う、防除の考え方も違うなど異なる性質のため別枠にしています。
イタドリハムシ

- サイズはやや大きめ(7〜9mm程度)
- 黒地に黄色やオレンジの模様
- ノミハムシではないので跳ねない
- イタドリやスイバに付くことが多い
- → 生垣ではあまり問題にならないが、見た目は派手で目立つ
ヨモギハムシ

- 金属光沢のある青や銅色
- 7〜10mm程度とやや大型
- ヨモギに集まる
- 跳ねず、歩き回るタイプ
ハムシ幼虫の特徴と見つけ方
引用:「あなたの家の周りにも山ほどいる身近なかわいい害虫その2=ヘリグロテントウノミハムシ」
成虫を見かけたからといって、被害の中心が必ず成虫とは限りません。ヘリグロテントウノミハムシでは、幼虫が葉の内部に潜り込んで食害するため、虫の姿が見えないまま被害だけが進むことがあります。
よく見られる被害のサインには、次のようなものがあります。
- 葉がかすれたように白っぽくなる
- 部分的に薄く透けたように見える
- 葉全体が弱って枯れたような印象になる
幼虫が見つけにくい理由
幼虫は葉の表面ではなく、葉肉の内側を食べ進むため、葉裏をめくってもそのまま見えるとは限りません。穴が開くよりも、
- 色が抜ける
- まだらに変色する
- 葉の質感が変わる
といった形で気づくことが多いのが特徴です。
探し方のコツは、虫を直接探すよりも、被害が出ている葉の範囲を先に把握することです。
時期の目安を知っておく
一般的には、
- 春に越冬した成虫が活動開始
- 産卵後、幼虫が葉の内部で食害
- 一定期間後に地表へ降りて土中で過ごす
- 再び成虫が樹上に現れる
という流れが知られています。
注意したいのは、
- 成虫を見かける時期
- 葉が急に傷み始める時期
この2つがずれることがある点です。成虫が見えなくても葉の被害が進んでいる場合、幼虫の食害が内部で進行している可能性があります。
ハムシ予防で発生を抑える
ハムシ対策は、「完全にゼロにする」よりも、「増えにくい状態を維持する」考え方の方が現実的です。とくに生垣は株数が多く、一気に広がると対処が大変になります。
予防の基本は、次の3つです。
- 早めに見つける
- 温存されにくい環境を作る
- 樹木の回復力を落とさない
日頃の点検は葉裏と新芽が中心
成虫は葉裏にいることが多いため、点検は表側より裏側を意識します。とくに新芽まわりは発生の起点になりやすいので、短時間でも定期的に見る習慣が効果的です。
跳ねて逃げる虫を見つけた場合は、その周辺の枝や隣の株まで範囲を広げて確認すると、発生の広がり具合がつかみやすくなります。
落葉と足元の環境を整える
越冬や蛹化の段階が地表や土中と関わる場合、
- 落葉が溜まっている
- 風通しが悪い
- 内側が混み合っている
こうした環境は、虫が残りやすくなります。
落葉の整理、内側まで風が通る剪定、株元の過湿防止といった基本管理は、発生を抑える土台になります。
被害葉の扱い
強く傷んだ葉は、元の見た目には戻りにくいことが多いです。見た目の回復は、新芽が健全に伸びて更新されるかどうかに左右されます。
被害後は、
- 極端な刈り込みを避ける
- 水切れさせない
- 樹勢を落とさない管理を意識する
といった点に注意すると、回復がスムーズになりやすくなります。
なお、薬剤を使う場合は、対象植物と害虫に適用があるかを必ず確認してください。登録内容は変更されることがあるため、最新情報は農林水産省の農薬登録情報提供システムで確認するのが確実です。
てんとう虫みたいな黒い虫の対策
- ハムシ駆除の基本とタイミング
- ハムシ殺虫剤を使う前の注意点
- ハムシ殺虫剤の選び方と使い方
- ハムシ駆除後にやるべきこと
- てんとう虫に似た黒い虫ハムシの要点まとめ
ハムシ駆除の基本とタイミング
生垣や庭木でハムシを見つけたとき、やみくもに対処するよりも「どの段階の虫を、どの範囲で抑えるか」を意識した方が、結果的に手間と再発リスクを減らせます。ハムシは成虫も幼虫も植物を利用しますが、特にノミハムシ類は刺激を受けると跳ねて移動するため、目に入った1匹だけを追いかけても、被害の根本的な解決にならないことが多いです。
基本の考え方は次の2点です。
- 目に見える成虫への対処と、見えにくい幼虫への対処を分けて考える
- 被害が出やすい場所や列をまとめて管理する
このように「点」ではなく「面」で管理する意識を持つと、作業の効率も再発防止の効果も高まりやすくなります。
成虫が目立つ時期に狙いを定める
多くの地域では、春先から初夏にかけて、越冬した成虫が活動を再開し、葉裏で見つけやすくなる時期があります。このタイミングは、被害が本格化する前の「分かりやすい入口」の段階とも言えます。
見回りの際は、
- 生垣の外側だけでなく内側
- 目線の高さだけでなく株元に近い部分
- 日当たりの良い面と、やや陰になる面
といったように、複数の角度から葉裏を確認すると、発生の偏りが見えてきます。ノミハムシは跳ねて移動するため、見つけた場所の周辺一帯も含めて確認し、局所的な発生なのか、すでに広がっているのかを見極めることが大切です。
幼虫対策は葉の異変を合図にする
ハムシ類、とくにヘリグロテントウノミハムシのようなタイプでは、幼虫が葉の内部を食害するため、虫の姿が見えなくても被害が進行します。
次のような変化が出始めたら、幼虫による食害を疑う目安になります。
- 葉がかすれたように白っぽくなる
- 部分的に色が抜けたような斑が出る
- 葉全体が弱ったような印象になる
この段階で対策を始めると、被害が生垣全体に広がる前に流れを止められる可能性が高まります。虫が見えないからといって様子見を続けるより、「葉の状態」を合図に行動する方が、結果的に被害を小さく抑えやすくなります。
ハムシ殺虫剤を使う前の注意点
薬剤を使う前に必ず押さえておきたいのが、「その薬剤が、その植物と、その害虫に使えるかどうか」という点です。園芸用として販売されている薬剤でも、すべての植物・すべての害虫に使えるわけではなく、適用範囲は細かく決められています。
同じ「ハムシ」という名前でも、種類や作物の違いによって登録の扱いが異なる場合があるため、購入前や使用前には必ずラベル表示を確認してください。最新の登録状況は、農林水産省の農薬登録情報提供システムで確認できます(出典:農林水産省「農薬登録情報提供システム」)。
また、家庭の生垣では散布範囲が広くなりやすく、次のような点にも注意が必要です。
- 風の弱い時間帯を選ぶ
- 必要以上に広い範囲へ散布しない
- マスクや手袋などの保護具を使用する
これらは安全面だけでなく、薬剤を無駄に拡散させないためにも大切なポイントです。
さらに、てんとう虫などの益虫が活動している場所では、むやみに広範囲へ散布すると、望まない影響が出ることもあります。まずは、
- 本当に被害が出ている樹種はどれか
- 被害が集中している場所はどこか
を整理したうえで、必要な範囲に絞って手段を選ぶ方が、結果として環境への負担も管理の手間も抑えやすくなります。
ハムシ殺虫剤の選び方と使い方
ハムシ対策の薬剤選びでは、「今、主に困っているのが成虫なのか幼虫なのか」と「虫が葉の外にいるのか、葉の中にいるのか」という2点で考え方が変わります。どちらの段階を狙うかをはっきりさせてから選ぶことで、無駄な散布や効きにくさを避けやすくなります。
成虫中心なら付着性と散布範囲を意識する
ノミハムシ類は刺激を受けると跳ねて移動するため、散布中に別の葉へ移動してしまうことがあります。そのため、
- 葉の表だけでなく裏側も意識する
- 虫がいた枝だけでなく、その周辺の枝も含める
- 点ではなく、列や面でまとめて散布する
といった考え方が向いています。
付着性が高く、かかった部分にしっかり残るタイプの薬剤は、こうした「動き回る成虫」を相手にする際に扱いやすい傾向があります。
幼虫中心なら葉内への効き方も検討する
幼虫が葉肉内に潜るタイプの場合、外から見える虫だけを狙う方法では、どうしても効きが弱くなりがちです。このようなケースでは、植物体の内部へ移行する性質を持つ薬剤が選択肢として紹介されることがあります。
ただし、どの薬剤が使えるかは、
- 対象となる植物
- 対象となる害虫
- 使用時期や回数
によって細かく決められています。購入時にはラベル表示をよく読み、「今の段階の被害に合っているか」を確認したうえで選ぶことが、無駄な作業を減らす近道になります。
また、インターネット上で紹介されている薬剤情報は、掲載時点の登録内容のままになっていることもあります。実際に使用する際は、必ず最新のラベル表示と登録内容を基準に判断してください。
ハムシ駆除後にやるべきこと
ハムシ対策で差が出やすいのは、「一度減らしたあとに、どう管理するか」という点です。ハムシは一度減っても、
- 周囲の植栽から再侵入する
- 見えない段階の個体が残っている
- 翌年、同じ場所で再び発生する
といった形で、再び目立つことがあります。
まずは、駆除後に次のような点を観察しておくと、次回の点検が効率的になります。
- 被害が強かったのはどの列か
- 高さはどのあたりが中心だったか
- 日当たりや風通しとの関係はどうか
これらを把握しておくと、次のシーズンの見回りで「重点的に見るべき場所」がはっきりします。
次に、新芽の伸び方を確認し、樹勢が落ちているようなら、
- 剪定の強さを調整する
- 乾燥しすぎないように管理する
- 必要に応じて施肥を検討する
といった、樹木側の回復を助ける管理も考えていきます。
生垣は景観植物なので、葉が一度傷むと見た目の回復に時間がかかります。被害を止める対策と、見た目を戻すための管理を分けて考えると、無理のないペースで維持しやすくなり、結果として長期的な管理の負担も軽くなります。
てんとう虫に似た黒い虫ハムシの要点まとめ
- てんとう虫に似た黒い虫はノミハムシ類が紛れやすい
- ヘリグロテントウノミハムシは体長3〜4mmほど
- 黒い体に赤い紋があり遠目にてんとう虫に見える
- 触れると跳ねて逃げる行動が見分けの手がかりになる
- モクセイ科の生垣で見つかるときは被害を疑いやすい
- 成虫は葉裏に付くことがあり見回りは葉裏が中心になる
- 幼虫は葉の内部を食べるため虫が見えないこともある
- 葉がかすれる白化する症状は早めの対策サインになる
- 駆除は成虫期と被害が出始める時期を意識すると進めやすい
- 殺虫剤は適用作物と適用害虫をラベルで必ず確認する
- 幼虫対策は葉内への効き方も踏まえて選ぶと無駄が減る
- 風の弱い時間に散布し飛散と安全に配慮して扱う
- 落葉を溜めないなど足元の整理は予防の土台になる
- 被害葉は戻りにくく新芽の更新で回復を目指す考え方が合う
- てんとう虫に似た黒い虫ハムシは再発もあるため記録が役立つ


